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 前回説明したような課題を抱えていたUCだが,ここに来て徐々に課題をクリアした製品が増えてきた。まずは企業ユーザーが広く利用するマイクロソフトのOfficeアプリケーションやIBMのグループウエア「Lotus Notes/Domino」を起点に,UCによる様々なコミュニケーションを可能にする製品だ。

 これらはオフィスに浸透しているアプリケーションとUC製品を融合させることで,業務を効率化するというUCのメリットを,より実感しやすい形で訴求できる(図1)。従来は通信機器ベンダーのUC製品に対応した,専用のアプリケーションからUCを利用するのが一般的だった。

図1●アプリケーション側からUCにアプローチ
図1●アプリケーション側からUCにアプローチ
マイクロソフトやIBMといったアプリケーション・ベンダーは,彼らが持つメール・クライアントやオフィス・アプリケーションとの連携を売りに,UCの需要喚起を狙う。
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 例えばマイクロソフトが2007年11月から提供を開始したUCプラットフォーム「Office Communications Server 2007」(OCS 2007)では,Officeに含まれるOutlookやWord,Excelのインタフェースから,直接連絡を取りたい相手のプレゼンス情報を確認できる(写真1)。Outlookのメッセージの差出人の欄をクリックすると,メニュー画面として相手が応対可能かプレゼンスを表示。プレゼンス情報はOutlookのスケジューラと自動連動するため,空き時間がいつなのかも表示してくれる。もちろん同じOutlookのインタフェースから,電話やIM,Web会議で相手に連絡を取ることも可能だ。

写真1●Outlookの画面から相手のプレゼンスを確認
写真1●Outlookの画面から相手のプレゼンスを確認
Office Communications Server 2007と連携することで,OfficeアプリケーションのインタフェースからUCの機能を利用できる。写真はOutlookの画面から,メールの差出人のプレゼンスを確認しているところ。

 日本IBMが発売するUCプラットフォーム「Lotus Sametime」もLotus Notes/Dominoなどとシームレスに連携できる。グループウエア上でコミュニケーションを取りたい相手の名前をクリックすると相手が応対可能かどうかプレゼンスを表示。直接グループウエア上からIMなどで相手と連絡する。

 マイクロソフト インフォメーションワーカービジネス本部ユニファイドコミュニケーショングループの越川慎司部長は「企業が普段使っているアプリケーションとUCとの連携は,ユーザーが望んでいたこと。UCは日本に根付かないと言われていたが,ユーザーのニーズに応えたOCS 2007の販売は絶好調。販売目標の300%を達成した」と手応えを口にする。

 勢いを増すマイクロソフトの動きに,米IBMも対抗意識を露わにしている。2008年3月には,今後3年間でUC市場に向けて10億ドル(約1000億円)の投資をしていくことを発表。UC製品の強化を表明した。

 従来のUCはともすればIP電話の付加機能として売りたい通信機器ベンダーの思惑ばかりが目立っていた。この状況から,企業ユーザーが利用するアプリケーションやグループウエアとUC機能との融合によって,オフィスの一般業務を効率化するという道筋が見えやすくなってきた。