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 2011年7月以降の次期BSデジタル放送への参入に対して,多くの有料放送事業者が関心を示している。総務省が2008年5月30日に公表した「委託放送業務の認定に関する基本的方針案」では,広告放送(CMやショッピング番組)の放送時間が全体に占める割合が一定数を超える委託放送業務の申請については,周波数割り当ての優先順位を相対的に下げるという趣旨の項目が盛り込まれた。この方針案が確定すれば,有料放送事業者は周波数の割り当てを受けやすくなる。

 BSデジタル放送で有料放送を行うためには,顧客管理業務や料金徴収業務といったプラットフォーム業務が不可欠である。現在BSデジタル放送で有料放送を手がけるWOWOWは,子会社のWOWOWコミュニケーションズがプラットフォーム業務を担当している。スター・チャンネルはBSデジタル放送とCS放送の両方で,スカイパーフェクト・コミュニケーションズにプラットフォーム業務を委託している。

 総務省は2008年8月をメドに,次期BSデジタル放送の参入希望調査を開始する方針だ。委託放送業務の認定に関する基本的方針案で,既存チャンネルの高画質化を目的にする放送事業者への周波数の割り当てについて,「特に排除しない」としている。このため東経110度CS放送の有料放送事業者のうち,周波数帯域の不足が原因でSDTV(標準画質テレビ)のチャンネルを放送している事業者が,HDTV(ハイビジョン)放送を実現するためBSデジタル放送への参入を希望する可能性が大きい。

 有料放送事業者が東経110度CS放送からBSデジタル放送に引っ越す場合は,スカイパーフェクトにプラットフォーム業務を引き続き任せることが現実的だろう。スカイパーフェクトは,「次期BSデジタル放送のプラットフォーム業務についての方針は決まっていない」としながらも,「プラットフォーム業務を手がける基盤はそろっており,(放送事業者から)要望があれば請け負いたい」と前向きな姿勢をみせる。

 新規参入する放送事業者にとっては,スカイパーフェクト以外にプラットフォーム業務を任せることもできる。ただし,新たなプラットフォーム事業者が登場するかどうかは微妙な状況だ。2011年7月以降に利用するBSデジタル放送用周波数は,トランスポンダ(電波中継器)7本分(第5,第7,第11の3チャンネルおよび,第17,第19,第21,第23の4チャンネル)であり,そのうち第17チャンネルは2009年度から2014年度まで地上デジタル放送のセーフティーネットで使われる予定である。このためBSデジタル放送の新規チャンネル数は十数チャンネルになる見通しだ。ある衛星放送関係者は,「新たなプラットフォームを立ち上げても,これだけのチャンネル数では採算が合わないのではないか」と指摘する。