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 「環境保全という観点あってこそのプロジェクト。IT資源を効率よく使うというだけでは,このプロジェクトは成立しなかった」。ホンダのシステム戦略を統括するIT部IT戦略管理室の野口貴史室長は,ホンダのグリーンITへの取り組みをこのように説明する。

 同社は2008年4月,グリーンITを推進するプロジェクトを開始した。2010年度までに,データセンターやオフィス環境で省電力化を進め,二酸化炭素(CO2)排出量を3100トン削減することを目標に掲げる。具体的には,国内の工場や事務所に散在していた部門サーバーを,埼玉県和光市にあるデータセンターに移設。さらに,データセンター内のサーバーを仮想化技術を利用して統合する。現在約1000台あるデータセンター内のサーバーを,2010年度末までに半分の500台前後に削減する。3年がかりの大型プロジェクトだ。

OSごとに異なる手法で統合

 統合の主な対象は,オープン系のサーバーである。ホンダは,人事システムや購買システムなどをオープン系サーバー上で動かしている。しかし,いずれもプロセサの使用率が低い。サーバーが電力を消費しているにもかかわらず,処理能力が無駄になってしまっているわけだ。「ピーク時には50%を超えることもあるが,ほとんどの時間帯は25%以下。サーバーを集約することにより,50~80%まで向上させることができる」と,IT戦略管理室IT基盤ブロックの堀部行雄ブロックリーダーはみている。また各システムごとに,障害に備えてバックアップ・サーバーを用意しているが,サーバーを統合すればそれも共通化でき,台数削減が見込める。

 ただ,オープン系サーバーといっても,Windowsもあれば,AIX,Linuxもあるなど,搭載しているOSは数種類あり,すべてを単一の手法で統合することは難しい。そこでホンダは,まず2008年度内にWindows系サーバーを,仮想化ソフトを使って統合する方針。すでに,仮想化ソフトの選定に着手。早ければ2008年5月中にも決定し,具体的な作業に入る。これにより,70~80台あるWindowsサーバーは40台以下になる見込み。今後Windows上で動く新システムを開発する場合は,仮想環境を前提にする。

 2009年度からは,AIXサーバーを統合する。AIXを搭載するサーバーはホンダのオープン系サーバーの中で最も数が多い。ところが,VMwareやXen Sourceの仮想化ソフトがサポートしていない。そこで,サーバーに論理区画を作り,1台のハードウエア上で複数サーバーを動かす方式を採用することに決めた。その後,LinuxやSolarisのサーバーを集約する予定だ。