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 今回の調査で調査対象とした7分野では,数多くの開発支援ツールが評価対象となった。その中の多くが,OSSまたは商用のツールである。ただし中には,ユーザー自らが,あるいはシステム開発を担当した協力会社が独自開発したツールを利用しているユーザーもいる。今回の調査では,開発支援ツールを利用した全回答数の約3.6%が,独自のツールを利用したと答えた。

 ユーザーが独自ツールを利用するのには,大きく二つの理由が考えられる。一つは,システムの開発手順やテスト方法が一般的なものではなく独自性が強いため,汎用の支援ツールが利用しづらい場合だ。もう一つは,汎用のツールが備える機能を使うよりも,高品質なシステムを効率よく開発できる,より質の高い開発支援ツールを使いたい場合である。

テスト分野で独自ツールの利用率高い

 では,実際に独自ツールの利用が多いのは,どの分野のツールだろうか。図1は,分野別の独自ツールの利用者の比率をまとめたもの。結果を見ると,テスト分野で独自ツールの利用が多いことが分かる。機能テストでは,およそ1割近い8.1%が,独自ツールを使っている。負荷テストも6.8%と比較的高い利用率だ。

図1●独自ツール利用者のツール分野別の比率
図1●独自ツール利用者のツール分野別の比率

 テスト分野で独自ツールの利用が多いのは,テストのパターンやテスト方法が,開発するシステムによって千差万別だからというのが理由の一つだろう。汎用のツールを利用したとしても,開発するシステムに合わせて,システムの画面操作をすべて記憶して実行させる必要があり,準備に手間がかかる。そのため,システムに合わせて独自のツールを作るのも選択肢の一つになるのだろう。

 テスト分野以外で比較的独自ツールの利用が多いのは,プロジェクト管理分野で6.3%。これには,Excelなどの表計算ツールを利用して,自分たちの管理しやすいツールを作成しているケースが多く含まれていそうだ。

 図2は,独自ツールを利用したユーザーの分野別満足度だ。やはり,テスト分野で比較的満足度が高い。負荷テスト分野が最も高く,84.9点を獲得した。負荷テスト分野のユーザーには,「並列処理ミドルウエアをベースにテスト・プログラムを作成し、テスト期間の短縮を図っている」というユーザーもいた。また,「オリジナルで作成したツールは価格は高くなる。だが,汎用のツールでは習熟しても結局できないテストがあったりするので、かえって高価になってしまう」といった意見も寄せられた。

図2●独自ツール利用者のツール分野別総合満足度
図2●独自ツール利用者のツール分野別総合満足度