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 モバイルWiMAXの特許プールの構築に向けた動きが具体化し始めた。フランスAlcatel-Lucent,米Cisco Systems,米Clearwire,米Intel,韓国Samsung Electronics,米Sprint Nextelがボードメンバーとなって「Open Patent Alliance(OPA)」を発足させた。さらに,6~9社がボードメンバーとして参加を予定する。

 特許プールは,特許のライセンス手法として一般的なものである。しかし,携帯電話では,そういう状況にはなっていない。W-CDMA規格の特許ライセンスを管理する英3G Licensingが存在するが,有力特許が集まっている状況ではなく,現実には相対契約が中心となっている。この結果,有力特許を持たないメーカーは,莫大なライセンス料の支払いを余儀なくされてきた。

 モバイルWiMAXといった次世代の無線通信システムは,携帯電話機だけではなく,ノートパソコンあるいはもっと小さな携帯型パソコン,さらには各種機器への搭載を狙っている。携帯電話における特許ライセンスの状況を引きずったままでは「ものづくり」のハードルとなり,通信事業者の事業展開にも足かせになりかねない。こうした事情はLTEなども共通であり,欧州の通信メーカーなどが「LTE特許のフレームワーク」を発表したもの同じ理由からである。

 この結果,関連特許を適正な価格で簡便に利用できるオープンな体制をどう構築するのか,が無線技術の方式間で重要な競争項目になる。LTE陣営がフレームワークの発表の中で価格の上限を打ち出したのに対し,OPAはワンストップでライセンス契約を可能とする特許プールの構築をいち早く打ち出し,参加者の募集を始めた。「オープンなモデルにして,無線アクセスに関係のない企業がWiMAXの世界に入ることが可能になる体制を作る」(参加企業の1社)のが目的と説明する。ボードメンバーはOPAの運営を行うが,特許の価値の評価は第三者機関が行う。特許プールは,基本特許の集合体になりWiMAX製品を開発するのに必要なもののみを対象にするという。具体的には,フォーラムが規定したシステム・プロファイルを指すという。

 ある国内携帯電話機メーカーの関係者によると「英NGMN Ltd.がLTEやモバイルWiMAXなどに関して必須特許を持つ企業を募集し,希望するライセンス費の聞き取りを行ったところ,いずれの方式も各社の希望を単純に積み上げると特許ライセンス費が端末価格の30%以上になってしまった」という。この時期に,次世代無線通信に関するこうした取り組みが一斉に登場してきた背景でもある。それだけ権利を主張する特許所有者がいることを意味しており,どれだけ賛同者を集められるかが,鍵になる。