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 米国におけるITプロジェクト成功率は,4割に満たないという報告があった(図1)。日本でも「日経コンピュータ」(2003年11月17日号)によれば,日本の1万2000社を越す民間企業を調べた結果,品質,コスト/予算,納期を満たしたプロジェクトの成功率は「26.7%」と記載されていた。

図1●米国のプロジェクト成功率
図1●米国のプロジェクト成功率

 このような結果をみると,ITプロジェクトの失敗確率は非常に高いことが分かる。筆者の会社でも,プロジェクトの成功基準を定義して,プロジェクト成功率を把握している。また,失敗したプロジェクトの原因を調査・分析し,PMBOK(プロジェクトマネジメント知識体系)の九つの知識エリアに失敗要因を割り当てると図2の通りとなる。統合,スコープ,品質,人的資源といった知識エリアの項目が上位を占める。

図2●PMBOKの九つのマネジメントエリアで見たプロジェクトの失敗要因
図2●PMBOKの九つのマネジメントエリアで見たプロジェクトの失敗要因

 このような厳しい実態を分かりながら,結果的に失敗プロジェクトとなる。これは,プロジェクトの開始時点で「このプロジェクトは大したことはない」「簡単なプロジェクトである」と油断したことに起因していると思われる。筆者の会社でも,重要視していないプロジェクトが,突如としてトラブル・プロジェクトとなることが多いからだ。

 プロジェクト・マネージャ(PM)は,見積もりの段階やプロジェクトの上流工程で,「このプロジェクトは危険だ」という危険を察知する力を付ける必要がある。

 危険察知の能力は,経験や知識が豊富なPMでないと難しい。だが,最低限のプロセスやチェックによって危険を察知できる方法や,チェックリストを失敗プロジェクトの経験やノウハウから構築すれば,少しは役に立つはずである。まず,最初から「問題ない」「大したことはない」と考えないで,「何か問題があるはず」「何か見落としていることがあるはず」という考え方をPMは持って,プロジェクトを推進すべきである。