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6月14日午前8時43分に東北地方を襲った岩手・宮城内陸地震。固定電話と携帯電話は最大87.5%,6時間にわたって通話が規制されたが,IP電話やメールはほとんど問題なく利用できた。NTT東日本は通信ケーブルの断線,携帯電話事業者は基地局停止の被害に見舞われたが,ごく一部の地域を除いて14日中に復旧した。

 NTT東日本と携帯電話事業者各社は安否確認の通話が集中したため,地震発生直後に通話を規制した(表1)。固定電話はNTT東日本が岩手県と宮城県,秋田県で発着信を最大87%規制,その後13時37分に全面解除した。携帯電話は事業者によってユーザー数やネットワーク処理能力,規制の判断基準が異なるため,通話規制を解除した時間の違いが大きかった。ソフトバンクモバイルが9時45分,NTTドコモは11時から13時38分にかけて順次,KDDIは14時31分だった。PHSのウィルコムは規制を実施しなかった。

表1●6月14日午前8時43分に発生した岩手・宮城内陸地震の影響
携帯電話は最大6時間の通話規制がかかった。
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表1●6月14日午前8時43分に発生した岩手・宮城内陸地震の影響<br>携帯電話は最大6時間の通話規制がかかった。

 IP電話やメールはほぼ問題なく使えた。NTT東日本のひかり電話は通話規制の対象外で,インターネットも利用できたという。携帯電話も音声とデータ通信で制御を分ける仕組みの導入が進んでおり,NTTドコモとKDDIは一部の端末を除いて通話規制中もメールは利用できた。ソフトバンクモバイルは通話とメールの両方が規制対象となったが,規制時間が短かった。

 一部地域では通信設備に被害が出た。NTT東日本は通信ケーブルが断線し,固定電話119回線が利用できなくなった。携帯電話事業者は3社で基地局14 局が停止した。中継回線の障害や東北電力の停電が原因である。KDDIは「自家発電装置による稼働に切り替わった基地局が多くあった。移動電源車で対処した基地局もあり,被害を最小限に抑えられた」とする。各社とも土砂崩れで通行止めになった地域を除き,14日中にほぼ復旧した。

緊急地震速報の活用はこれから

 気象庁は,各地に設置した地震計で初期微動(P波)をとらえ,主要動(S波)の推定到達時刻などを事前に通知する「緊急地震速報」を提供している。ただし,ユーザーへの浸透はこれからの状況だ。

 NTTドコモとKDDIは緊急地震速報を震源地周辺の携帯電話あてにメールで通知するサービスを提供しているが,対応機種はNTTドコモが705i以降の一部と905i以降,KDDIが今年の夏モデルを含めて12機種と限られる。さらに現状はユーザーの認知度が低いこともあり,両社ともデフォルトで表示しない(オフ)設定になっている。ソフトバンクモバイルは2007年5月にシステムの開発を表明しているが,対応時期は未定である。