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 「あれこれと悩む前に、まずは形にする。ユーザー部門の要望にスピーディに反応することが重要」。小田急電鉄 IT推進部の城石祐子氏は、現場支援型のシステム開発のポイントを、こう強調する。同社は11月、車輌や鉄道設備、信号機や券売機といった鉄道にかかわる約3000件の損害保険を管理するシステムを構築した(図1)。

図1●損害保険管理システム<br />管財部の藤澤伸次課長代理(中央)、IT推進部の後藤真哉氏(右)、城石祐子氏(左)
図1●損害保険管理システム
管財部の藤澤伸次課長代理(中央)、IT推進部の後藤真哉氏(右)、城石祐子氏(左)
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 同システムを構築する際、開発の上流工程で要件を詳細に固めることはせず、プロトタイプを作りながら完成度を高めていった。開発に着手してから2週間程度でプロトタイプを完成。あとは業務で使いながら、約2カ月かけて機能の改良を続けていった。

 スピード開発が実現できたのは、顧客管理用のSaaS「Salesforce」をシステムの基盤として採用したからだ。顧客名の代わりに設備名を、顧客との応対履歴の代わりに保険の更新履歴や請求履歴を管理するように工夫した。独自に作り込んだ部分は、Excelで操作するためのデータ変換機能程度だ。

 システムを利用する管財部の藤澤伸次課長代理は、「システムに求める要件を、最初から完ぺきに伝えることは難しい。使いながら作ることで、ユーザーとしてのアイデアも言いやすくなる」と、システム部門のスピード対応の利点を強調する。