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情報システムランキング
(2008年1月1日~7月31日)
1位 【速報】スルガ銀が日本IBMを提訴、システム開発の債務不履行による損害など111億円超を賠償請求
2位 「富士通の開発ミスの全責任は東証にある」とみずほ証券、株誤発注裁判
3位 スルガ銀と日本IBMの「動かないコンピュータ」裁判の訴状内容が判明、要件定義を3回繰り返す
4位 三菱東京UFJ銀行、システム完全統合を1年延期
5位 Google,Webで医療情報を管理できる「Google Health」の詳細を発表
6位 スルガ銀行と日本IBMのシステム開発失敗を巡る裁判がスタート
7位 「テストをすべきなのは知っているが,現実にはできない」という現場の状況をいかに打破するか,気鋭のソフト開発者とテスト技術者がパネル討論
8位 KDDIがSaaSの第1弾を提供、Outlookを月額980円で
9位 ブログ同士で“SNS”が作れる,Googleが「Social Graph API」サービス公開
10位 【速報】東証の新派生売買システムで障害、先物取引の一部が売買停止
11位 【速報】NetscapeブランドのWebブラウザの全サポートが終了へ
12位 NECが次期地球シミュレータを190億円で落札、世界1位は狙えず
13位 またも中国からのSQLインジェクション、楽器通販サイトで約10万件の個人情報が流出
14位 1業務9万8000円,超低価格のオーダーメイド・システム開発「ギョイゾー!」,スターロジックが開始
15位 郵便局会社の基幹系、アクセンチュアの落札が正式決定
16位 【続報】「グーグルの独占を阻止する」、米MSのバルマーCEOがヤフー買収提案で会見
17位 ゆうちょ銀が2009年1月にも全銀システムと接続、民間金融機関との相互送金が可能に
18位 「あなたのビジネスをクラウドへ」,SalesforceとGoogleがMS/IBMに宣戦布告
19位 NTTデータがNGN対応SaaSプラットフォームを披露
20位 経産省が中小企業向けモデル契約書を策定、SIerの説明責任を重視

 2008年3月,新経営システムの開発中止を巡り,スルガ銀行が日本IBMを相手に111億700万円の損害賠償を求める訴訟を東京地方裁判所に提起した。日経コンピュータの記者が,その経緯を追跡。関連ニュース2本が「情報システム」サイトの2008年上半期(1~7月)のアクセスランキング上位を占めた(1位「【速報】スルガ銀が日本IBMを提訴、システム開発の債務不履行による損害など111億円超を賠償請求」,3位「スルガ銀と日本IBMの「動かないコンピュータ」裁判の訴状内容が判明、要件定義を3回繰り返す」,6位「スルガ銀行と日本IBMのシステム開発失敗を巡る裁判がスタート」)。

 東京証券取引所の株誤発注裁判の動向も,注目を集めている(2位「「富士通の開発ミスの全責任は東証にある」とみずほ証券、株誤発注裁判」)。これは,2005年12月にジェイコム株の誤発注により400億円を超える損失を出したみずほ証券が,誤発注を取り消せなかったのは東証のシステムの不具合が原因だとして,東証に約415億円の損害賠償を求めたものである。東京証券取引所については,システム障害の記事も10位にランクイン(「【速報】東証の新派生売買システムで障害、先物取引の一部が売買停止」)している。

 4位にランクインしたのが「三菱東京UFJ銀行、システム完全統合を1年延期」。これも,移行途中のシステム障害に伴う開発プロジェクト遅延である。このように,上位10本のうち5本を,金融機関の大規模システム関連のトラブルを報じたニュースが占めた。企業の合併や旧システムの老朽化などを背景に,ここ数年,大規模システムの開発案件が相次いでいる。大規模システムの開発は難易度が高く,ちょっとしたことが大きなトラブルにつながる。そこが読者の関心を集めたようだ。

 トラブルが後を絶たない現状を,現場担当者はどう感じているのか。7位にランクインした「「テストをすべきなのは知っているが,現実にはできない」という現場の状況をいかに打破するか,気鋭のソフト開発者とテスト技術者がパネル討論」では,品質を高めるためのテストのあり方が語られている。パネル討論に参加したひがやすを氏曰く「今はSEとプログラマが分かれているのが問題。プログラミングを知らない人が仕様を書くから,実装できない仕様が生まれる」。

 国も動いている。20位「経産省が中小企業向けモデル契約書を策定、SIerの説明責任を重視」によれば,ITや法律に詳しい人材がいない中小企業でも,間違いのない契約を結べるような契約書のあり方を目指した。モデル契約書は「システムの信頼性を高めるため契約段階からユーザーとベンダーの役割や責任分担を明確にする」というスタンスで作られているという。

 大規模システム開発の案件は,まだ一巡したわけではない。「郵便局会社の基幹系、アクセンチュアの落札が正式決定」(15位),「ゆうちょ銀が2009年1月にも全銀システムと接続、民間金融機関との相互送金が可能に」(17位)といった,郵便局の新規大型開発案件を巡る報道にも,多くのアクセスがあった。

 金融機関による大規模システム関連以外のニュースでは,SaaS(Software as a Service)関連のニュースが数多くランクインしている(5位「Google,Webで医療情報を管理できる「Google Health」の詳細を発表」,8位「KDDIがSaaSの第1弾を提供、Outlookを月額980円で」,9位「ブログ同士で“SNS”が作れる,Googleが「Social Graph API」サービス公開」,18位「「あなたのビジネスをクラウドへ」,SalesforceとGoogleがMS/IBMに宣戦布告」,19位「NTTデータがNGN対応SaaSプラットフォームを披露」)。SasSとは,ソフトウエアやハードウエアを購入することなく,ネットワークを通じてその機能を利用できるサービス提供の形態を指す。これまでとは全く違う,これからの情報システムの姿を感じさせるところが興味を引くのだろう。