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　米エマソンはモーターなどの電気・電子機器メーカーで，日本を含む世界各国で事業展開している。200億ドルの売上高と10％台半ばの高い税引前利益率を誇る優良企業として，投資家の間で定評がある。

　本書は同社のPDCA（計画・実行・検証・見直し）プロセスの詳細を解説。「やるべきことを，確実に行う。ただし，徹底して」という考え方は日本的で目新しさは無い。だが，「非現実的な予測をやめる」という方針で，原材料高や人件費増などを細かく織り込んだ利益計画を立てる手法など，PDCAの徹底ぶりは参考になる。著者は同社の前トップ。最終章では5年間面談を繰り返してじっくりと後継者を選んだ過程を克明に描いている。

エマソン妥協なき経営

エマソン妥協なき経営―44年連続増収を可能にしたPDCAの徹底
チャールズ・F・ナイト／ディヴィス･ダイヤー著
浪江 一公訳
ダイヤモンド社発行
2310円（税込）