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 正解は1です。

 今回の問題は,「プロジェクト人的資源マネジメント」の知識エリアに関連して,プロジェクトマネージャがもつパワー(権威)に関する問題です。

 このパワー(権威)に関する問題はPMBOKガイドには記載がありませんが,PMPの試験範囲には含まれていますので,しっかりと内容を確認してください。

 プロジェクトマネージャが行使できるパワー(権威)には,地位(Formal),報奨(Reward),罰則(Penalty),技術(Expert),後ろ盾(Referent)などがあります。これらのパワー(権威)の概要は表のとおりです。

表●プロジェクトマネージャのパワー(権威)
パワー概要
地位(Formal)プロジェクト・メンバーはプロジェクトマネージャとしての地位を認め,指示に従うというものです。すべてのプロジェクトマネージャが持つ公的なパワーということができます
報奨(Reward)プロジェクトマネージャは,メンバーの仕事に対し,報奨を与える権限を持ちます。その権限を行使することにより,プロジェクト・メンバーのモチベーションを上げ,パフォーマンスを上げることができます。これも,すべてのプロジェクトマネージャが持つ公的なパワーといえます
罰則(Penalty)プロジェクトマネージャは,メンバーの仕事に対し,罰則を与える権限を持ちます。プロジェクトマネージャは,この権限を行使することなどにより,メンバーのパフォーマンスを上げることができます。これも,すべてのプロジェクトマネージャが持つ公的なパワーといえます
技術(Expert)プロジェクト・メンバーがプロジェクトマネージャの技術力を認め,尊敬することにより,プロジェクトマネージャの指示を聞き,作業のパフォーマンスを上げるというものです。このパワーはすべてのプロジェクトマネージャが行使できるわけではなく,メンバーに納得させる技術力がない場合,就任した直後で技術力を認めさせる時間がない場合,様々な分野のメンバーが集まり専門性が異なる場合などは,このパワーは行使できません
後ろ盾(Referent)プロジェクトマネージャのカリスマ性や,背後にいる上級マネージャなどの影響力により,メンバーがプロジェクトマネージャの指示に従うというものです。このパワーも非公式なパワーといえます

 この中で最も適切なパワーは,技術と報奨です。逆に罰則は最終手段として行使するパワーとされており,率先して使うべきではありません。

 今回の設問の状況では,プロジェクトマネージャは就任直後ですので,技術は使えません。従って,行使するのに最適なパワーは報奨ということになります。