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ITベンダー向けに工事進行基準の適用を支援するプロジェクト管理製品が相次ぎ登場している。これを機にシステム化が進めば、ITベンダーのプロジェクト管理能力の向上が期待できる。IT業界最大の経営課題に対して、業界の内部から支援環境の整備が始まった格好だ。

 2009年4月から受託ソフトウエア開発などの会計処理に、工事進行基準が原則として適用される。従来は建設業やエンジニアリング業などの一部のプロジェクトで適用されていたが、IT業界も来春以降に着手する受託ソフトウエア開発やSIプロジェクトが進行基準の対象になる。今後は開発作業の進捗度に応じて売り上げと原価を計上することになる。

 こうしたなか、進行基準適用を支援する製品が相次ぎ登場している()。日揮情報システム(J-SYS)が11月に、オービックが10月にも製品を出荷する。これに先立ち今年3月以降に3社が製品を出荷した。

表●最近発表された主な工事進行基準の適用支援製品
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表●最近発表された主な工事進行基準の適用支援製品

 これらの製品は、プロジェクト管理ソフトに進行基準の適用を支援する機能を組み合わせたものだ。ソフトブレーンの「e工程マネージャーVer.3.0」は進捗度に応じた原価見積もり計算などの機能をプロジェクト管理ソフトに持たせている。J-SYSの「J+Project会計」は売り上げや原価を計上する機能を持ち、同社のプロジェクト管理ソフト「SmartPMO」と補完的に働く。

 これらの製品はもちろん、建設業などのほかの業種でも利用できる。しかし各社ともに“同業者”をターゲットに定める。オービック経営企画室兼広報担当の松下祐二氏は「新たに進行基準の適用対象になるという意味で、システムインテグレータの動向に一番注目している」と話す。中堅以上を主に狙う日本オラクルを除けば、特に中堅・中小が売り込みの狙い目だ。

 「中堅・中小では、Excelベースでプロジェクトを管理することが珍しくない」と指摘するのは富士通システムソリューションズ情報サービス本部第二情報サービス部の渋井孝司プロジェクト課長だ。進行基準を適用するためには、今まで以上に精緻なプロジェクト管理が必要となる。会計基準への対応という消極的な理由ではあるが、プロジェクト管理のあり方を見直す企業が増えてくるはずだ。多重下請け構造の中で、大手ユーザー企業のシステム開発案件を手がけることも多い中堅・中小に導入が進めば、IT業界全体のプロジェクト管理能力の底上げが期待できそうだ。