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最近は中国への出張も増えてきた。中国語辞典を搭載した電子辞書は欠かせない。 |
松橋は今、営業部門に異動して、改革を指揮している。「営業が契約管理で終わらず、提案のトリガーも引けるようにすることが私の使命」と意気込みを語る。
改革の原点は、CACヨーロッパでの経験だ。現地でのメインの顧客は大手邦銀のロンドン支店である。「最初の2年間は、仕事や生活に慣れるのに精一杯。無我夢中で拠点システムのサポートや開発の仕事に漬かっていた」(松橋)。3~4年が経過し、自分の立ち位置が見えてからは、業務改善に向けたシステム提案を仕掛けるようになった。
中でも忘れられない案件が、顧客の別の支店が導入していたシステムを、ロンドン支店にも導入することを提案した商談だ。このシステムは、実は競合他社が開発したもの。CACが導入を請け負ってもほとんど利益にならない。それでも松橋は、「ロンドン支店にはこのシステムが最適だ」と見るや、顧客に熱心に採用を働きかけたのである。
顧客は松橋の仕事振りに感謝し、松橋自身も大きな満足感を得た。だが同時に、「自社の利益も考える提案ができなかったのは、私が顧客の中にどっぷり漬かるPM(プロジェクト・マネージャ)の立場に甘んじていたから」という悔いも残ったと言う。松橋はこの経験から、「顧客と自社の利益を両立できる提案を作るには、営業の役割が重要になる」と考えるようになった。
松橋は「営業改革は、まだ満足のいく成果を出せていない」と語る。「SEのころは常識的な答えを求められるが、今は常識にとらわれない意見を求められる。その切り替えが難しい」とも言う。そんなとき役立つのが読書。「好きな小説を繰り返し読むと、気持ちが切り替わる」(松橋)。
シーエーシー(CAC)
金融ビジネスユニット金融コラボレーション部
副部長