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 SOAアプローチでは、どんな単位でシステムを部品化したのか。日産は本業である自動車製造の考え方を参考にした。日産のような自動車メーカーは複数の車種を製造する際に、部品を共通部品と個別部品に分けるのが普通だ。共通的な機能は共通部品化して、複数の車種で流用可能にする。

 同じ思想でシステムを分割することに決めた。部分的に個別機能が必要になるという状況はシステムも変わらないからだ。例えば同じ生産管理システムでも、どの工場に導入するかで必要な機能は微妙に異なる。

 部品化の前にまず、全世界の工場における生産管理の進め方を八つのパターンに分類した。「生産・販売の仕方」「部品の発注頻度」「部品仕入れの進め方」という三つの条件それぞれに二つの選択肢を設け、2×2×2の計8パターンとした(図4)。どのパターンも「生産のQCT(Quality、Cost、Time)管理」「生産プロセスの保守・運用」といった工程はほぼ同じである。

図4●既存システムの部品(モジュール)化の進め方
図4●既存システムの部品(モジュール)化の進め方
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 この八つのパターンごとに、生産管理システムにおける部品(モジュールと呼ぶ)を決めていった。

 例えば一つのパターンにおける「生産プロセスのデータ・ドキュメント管理」工程を、ある工場ではA、B、Cという三つのサブシステムを利用して進めていたとする。また、違う工場では同じ工程でD、E、Fという三つのサブシステムを使っていたとする。

 サブシステムを調べて、BとD、CとEは同じような機能を持っていることがわかったならば、BとD、CとEはそれぞれ統合して共通部品とし、AとFは個別の部品にしたほうがよいと判断できる(図5)。

図5●共通システムと個別システムの整理の仕方
図5●共通システムと個別システムの整理の仕方
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 実際にはこんな単純に進めたわけではない。一つのサブシステムを複数の部品に分解したり、複数のサブシステムを一連の処理として利用している工場が多い場合にはまとめて一つの部品に規定し直したりした。並行して、重複しているサブシステムの統廃合を進めた。部品化の際は、共通化できるものはできるだけ共通部品とすることを意識した。そのほうが効果が上がるからだ。