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 表題には「インターフェイス指向設計」とあるが,サブタイトルにあるように「オブジェクト指向設計」をテーマにした本と考えてよい。オブジェクト指向をテーマにした本は多数刊行されているが,なかには,良書なのだが専門用語が並んで難しいものや,やさしく読めるが「リンゴ」や「ミカン」を例にしているので実用度の低いものがある。分かりやすく,しかも実用的なものとなると数少ないのが実情であろう。

 その点,この本はバランスが取れている。オブジェクト指向設計の基本知識を前提にしているものの,理論と実用の両方を含み,文章も比較的読みやすい。設計をテーマにした本の場合,考え方を示して終わりになりがちだが,それだけだと「分かったようでいて,分かっていなかった」といったことになりやすい。そうならないために,本書は「設計したものを,まず動かしてみる」という姿勢を取っている。

インターフェイス指向設計

インターフェイス指向設計─アジャイル手法によるオブジェクト指向設計の実践
Ken Pugh著
角谷 信太郎監訳
児島 修訳
オライリー・ジャパン発行
2730円(税込)