NTTは2008年5月に新たな中期経営戦略を定め,グループ企業間の連携体制を強化している。「2010年度に2000万件の加入者獲得」を掲げる光サービスにおいては,「2010年度からのNGNへの計画的な移行」「2011年度内の単年度黒字化達成」など,新たな数値目標を掲げた。この実現に向けて光サービス拡販の使命を負うのが,2008年6月に就任した江部努・NTT東日本社長と大竹伸一・NTT西日本社長だ。就任から間もない中,両社長は,日経コミュニケーション編集長の問いかけに対し,暖めている需要拡大の具体策を語った。

NTT東日本は,2011年度の光ファイバ事業黒字化など新・中期経営戦略達成に向けた課題を多く抱えている。大きな収益源である電話加入者数は減少傾向にあり,2008年度予算では再編後初めて売上高が2兆円を切る見通しを示すなど,取り巻く環境は厳しい。6月に就任した江部社長に現状認識と将来に向けた考えを聞いた。
[前編]NGNは運用の習熟を期して拡大,最大市場のテレビにも期待
[後編]ネット利用のサポートを成長事業に,ユーザーとの接点を確保

NTT西日本はNTTグループの経営目標とは別に,2012年度に2000億円の増収を目指すという独自の中期経営戦略をまとめている。通信サービスに限らず,新たなビジネスの開拓に旺盛に取り組み,経営基盤の強化を図る。電力系事業者やCATVとの競争の激しい環境の中で,どう活路を見いだすか。自ら戦略を取りまとめ,6月に就任した大竹社長に戦略と展望を聞いた。
[前編]大画面テレビでコンテンツは変わる,宅内ビジネスで新市場を開拓
[後編]分散型の地域性に合わせNGN展開,パートナー連携体制は刷新へ