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ワークスアプリケーションズ 代表取締役最高経営責任者 牧野 正幸氏
ワークスアプリケーションズ
代表取締役最高経営責任者
牧野 正幸氏

 現在、IT活用の領域では、日本より米国のほうがはるかに進んでいる。このままで、日本のIT武装が世界レベルに到達できるかは疑問である。

 スイスのIMD(国際経営開発研究所)の調査によれば、1989年から1993年まで5年連続世界1位だった日本の国際競争力は現在、20位以下にまで順位を落としている。第1位は米国である。これは、IT投資のエリアの違いが生んだ結果である。

 日本の現場の競争力は、今でもトップクラスである。それでも全体として低く評価されているのは、バックオフィスの効率が悪いからだ。ここ5年間、企業は人員を削減し、バックオフィスの効率化を図ってきた。それでも評価が上がらないのは、バックオフィスへのIT投資のやり方に問題があるからだ。

 日本では、人事や会計、物流、生産管理といったバックオフィス領域への投資は高止まりしている。米国では、バックオフィスの領域は安く抑え、戦略的な分野に投資してきた。トータルで見れば、日本は戦略的な分野への投資を削ってきたことになる。

 日本では、バックオフィス領域に年間5.5兆円、コアコンピタンス領域に年間3兆円のIT投資が行われていると言われる。運用や保守を考えると、もっと多いかもしれない。このバックオフィス領域への投資を米国並みに抑えて10分の1以下にすると、5兆円以上のコストが削減できる。

密な投資回収計画がない日本のバックオフィス投資

 米国の成功は、IT投資を今の競争力を強化することに集中してきたからだ。厳しい経済環境の中でITが普及期を迎えたため、確実にROIが見えるITにしか投資しなかった。そこでは綿密な投資回収計画が立てられた。日本ではバブル期の後半に、バックオフィスのシステム導入は数字に置き換えられることなく、必要だからやむを得ないと考えて投資してきた傾向が強い。

 バックオフィスのシステムは競争優位をもたらすものではなく、単なる仕組みだ。一方、コアコンピタンスのシステムは、システムそのものが競争優位を生む。一時のネット証券のシステムなどがまさにそれだ。

 コアコンピタンスのシステムについては誤解もある。自社の顧客サービスがコアコンピタンスだから、顧客サービスシステムもコアコンピタンスだと考えるのは間違いだ。顧客サービスの内容がコアコンピタンスなのであって、システム自体がコアコンピタンスなのではない。一方、取引先を巻き込んで生産を調整するようなシステムであれば、システムそのものが他社との差別化につながり、コアコンピタンスなシステムだと言える。

 バックオフィスのシステムは、古くなった、時代に合わないなど、しかたなく入れ替えるケースが多く、金額的な基準がない。米国では、そのまま使い続けるコストと新しいシステムのコストを比較する。新たな導入でシステムの維持やメンテナンスのコストが削減でき、5年以内に投資が回収可能なことが基準になる。安くならなければ投資に値しないと考える。日本でも同じように考えて、バックオフィスへのIT投資をコストダウンにつなげ、競争力を強化する必要がある。

変化への対応力が優れるノンカスタマイズのERP

 システムのコストダウンを考えるに当たっては、システムにコスト高をもたらす3つの外的な変化を押さえておく必要がある。1つ目は、テクノロジーの変化。OSやデータベースが進化し、古いテクノロジーは捨てられ、業務システム自体にメリットがなくても、変化に追従することを強いられる。

 2つ目は、社会トレンドの変化。経営スタイルやワークスタイル、社会的価値基準が変わることで、対応せざるを得なくなる。3つ目は法制度の改正。次々と制度改正される法制度にも対応しなければならない。

 こうした変化に対して、グローバルにはERPの導入が最も対応力が大きいと言われている。3つの変化に対して、メーカーが対応を保証してくれているからだ。グローバルなIT基準にも対応し、最もコストがかからない。しかし、それはノンカスタマイズでERPを利用している場合に限られる。カスタマイズしてしまったら、3つの変化には対応できない。

 そもそも、社会のトレンド、イノベーションのタイミングなどは、各国の文化によっても異なる。日本では海外ベンダーのものをノンカスタマイズで使うのは難しい。SaaSもノンカスタマイズが前提であり、SOAもグローバルではまだ標準化されていないため、解決策にはならない。

 結論としては、日本企業がノンカスタマイズで使える製品が必要であり、日本には日本のエンタープライズパッケージが必要だということになる。当社はバックオフィスを支えるパッケージを提供し、すべての業務ニーズを標準機能で対応することを義務と考えている。ノンカスタマイズで使えるERPで、日本企業の国際競争力の強化を支援できるよう頑張っていきたい。