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 データセンター・ショーケースでは,コンピュータやネットワーク機器,ストレージなどの主要ベンダーの協力を得て,データセンターの最先端技術をデモンストレーションする。来場者が日ごろ目にする機会の少ない新技術を,間近に見て体感できるようにすることが目的だ。

 前回のITpro EXPOのデータセンター・ショーケースでは,ブレードサーバー,グリーンIT,ネットワークといったテーマ別に,データセンターの“要素技術”をデモすることに重点を置いた。今回はデータセンターそのものの新しい姿を感じてもらおうと,二つの企画を用意した(表1)。

表1●データセンター・ショーケースの主な企画の概要と出展企業
テーマ 概要 参加予定企業
FCoE Fibre ChannelによるSANをイーサネットに統合するFCoE(Fibre Channel over Ethernet)のデモを実施。FCoE 対応のサーバーおよびSANストレージをFCoE 対応スイッチ「Nexus」シリーズで統合し,相互接続性や管理の互換性,ケーブリングの簡略化などを実機で披露する。 シスコ,EMCジャパン,伊藤忠テクノソリューションズ,インテル,ヴイエムウェア,NEC,米Emulex,米QLogic,デル,日本ヒューレット・パッカード,ネットアップ,ネットワンシステムズ,富士通ほか
コンテナ型
データセンター
最新のコンテナ型データセンターであるHP POD(HP Performance-Optimized Data center)の実物イメージを体感できるように,実際の写真などを使用してコンセプトを紹介。HP PODの大きな特徴である,データセンターの機能をコンテナに収容する仕組みなどを分かりやすく解説する。 日本ヒューレット・パッカード

 一つは, Fibre Channel によるSANをイーサネットに統合する「FCoE」(Fibre Channel over Ethernet)のデモである。シスコシステムズのFCoE対応スイッチを使ってサーバーやSANストレージを統合し,相互接続性や管理の互換性,ケーブリングの簡略化などを実機を使って検証する。

 もう一つは,いわゆるコンテナ型データセンターの展示である。日本ヒューレット・パッカード(HP)が,米国での発表後間もない「HP POD」(HP Performance-Optimized Datacenter)のコンセプトを紹介する。

「FCoE」で進化するデータセンター

 シスコが展示するのは,データセンターを縦横に走るLANとSANを次世代イーサネットで統合するFCoEのデモである。

 汎用の通信に使うLANとストレージ専用のSANは,前者がイーサネット,後者がFibre Chanelという異なった技術で構成されている。それぞれのネットワーク用にケーブル配線とスイッチ機器,サーバーのインタフェースが必要になるため,スペースや費用,管理などの面でデータセンターのコストを押し上げる要因となっているのが現状だ。

 FCoEを使えばFibre Channel用のスイッチやケーブルが不要になり,シンプルかつ高密度なデータセンターの構築が容易となる。これまでもiSCSIによるI/O統合の動きはあったものの,帯域制御の難しさや,Fibre Channel用管理ツールが使えないといった互換性不足などの理由により,普及に至っていない。これに対してFCoEは,10Gビット・イーサネットの普及と,イーサネットに帯域制御や輻輳制御などの機能を追加する拡張仕様の標準化を背景に,「ユニファイドI/O」の本命と目されている。

 デモ環境の中核は,FCoE技術を盛り込んだデータセンター向けスイッチ「Nexus」シリーズ。シスコが「データセンター3.0」構想に基づいて投入した最上位のスイッチ製品群だ。現時点でのラインアップは2機種ある。

 データセンターのコア・ネットワーク向けの「Nexus 7000」は,10Gビット・イーサネットを最大256本収容。バックプレーンの転送能力や低遅延化など,巨大トラフィックをさばく工夫を盛り込んでいる。

写真1●ユニファイドI/Oをうたうシスコの「Nexus 5000」
写真1●ユニファイドI/Oをうたうシスコの「Nexus 5000」
イーサネットによるLANとFibre ChannelによるSANを統合するFCoE機能を備えるアクセス・スイッチ。国内初展示となるITpro EXPOでは,サーバー・メーカーやSANストレージ・ベンダーなどが持ち寄った機器を同スイッチに接続して検証ネットワークを構築。FCoEの相互接続デモを実施する。
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 サーバーやSANストレージを集約するアクセス・スイッチの「Nexus 5000」(写真1)は,FCoEに加えて,パケット損失ゼロの新イーサネット仕様をいち早く実装した「Cisco Data CenterEthernet」を搭載。同機とサーバーに装着するFibre Channelコントローラ搭載のLANカードである「CNA」を用意するだけで,FCoE環境への移行が可能だ。

 今回のデモは,国内におけるFCoE相互接続検証の“出張ラボ”でもある。Nexus 5000に,サーバー・メーカーやSANストレージ・ベンダーが用意した実機を接続。接続した機器を従来のFibre Channelと同じ管理ツールで扱える互換性を実演する予定だ。