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 ネットワークにつながるパソコンが送り出したパケットは,適切な経路を進んできちんと目的地まで届けられる――。こんなことは当たり前すぎて,普段はあまり意識しないかもしれない。

 でも,考えてみたら不思議である。ルーターが何万台もつながったインターネットのような巨大ネットワークでも,その経路上にあるルーターが,目的地まで次々とパケットを中継していく。しかも,一部の回線が切れても,自動的にう回路を見つけて目的地までパケットを送り届けてくれる。

 なぜ,無数に存在する経路の中から適切な道筋を選び出せるのか。なぜ,途中の回線が切れても大丈夫なのか…。

 この特集では,基本的なルーティング・プロトコルであるRIP(リップ/router information protocol)を取り上げ,パケットを送る道筋選び,いわゆる「ルーティング」のしくみに迫る。

RIPを題材にルーティングを攻略

 RIPは数あるルーティング・プロトコルの中で最も歴史が古く,“元祖”とも言える存在である。古くからあるプロトコルだが,今でも中小規模のネットワークではバリバリの現役である。

 ルーティング・プロトコルにはいろいろな種類があるが,RIPは企業向けのルーターだけでなく多くの家庭向けブロードバンド・ルーターにも搭載されている。また,安定性と相互接続性に優れているという特徴がある。

 さらに,RIPはしくみが単純なので,ルーティングの働きを理解するための良い教材にもなる。ルーティングのしくみがイマイチよくわからない人も,RIPの動きを追って見ていくと,「なぜパケットが正しい目的地に運ばれるのか」といった疑問がスッキリ解ける。そしてそこに,多くの工夫が詰まっていることも実感できるだろう。RIPを攻略できれば,ネットワーク構築の実践にも大いに役立つはずだ。

 この特集では,次の基本編でRIPの基本的な動作について解説する。ルーターが少ない情報をやりとりするだけで,適切にパケットを運べるようになるしくみを理解できるはずだ。続く工夫編では,RIPの弱点を補うための四つの機能を詳しく解説する。ルーティングの難しさと先人の工夫に驚くことだろう。最後のまとめでは,Windowsパソコンを使ってRIPの動作を体感する。