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 アプリケーション・スイッチは,クライアントからのアクセス要求を適切なサーバーに振り分けて,サーバーの負荷を分散する装置である。従来,「負荷分散装置」や「レイヤー4スイッチ」と呼ばれていた機器が発展したものだ。

サーバーの処理も肩代わり

 従来の負荷分散装置は,TCP/UDPヘッダーのポート番号を見てアプリケーションの種類を判断し,対象のサーバーにパケットを振り分けていた。アプリケーション・スイッチでは,アプリケーションのデータ部分まで見て,振り分け先のサーバーをより細かく判断したり,サーバーの処理を肩代わりする機能を持っている(図7)。

図7●サーバー・アクセスをスムーズにする「アプリケーション・スイッチ」<br>パケットを見てアプリケーションを判断し,適切なサーバーにパケットを転送する。サーバーの処理を肩代わりして高速化を図る機能も持っている。
図7●サーバー・アクセスをスムーズにする「アプリケーション・スイッチ」
パケットを見てアプリケーションを判断し,適切なサーバーにパケットを転送する。サーバーの処理を肩代わりして高速化を図る機能も持っている。
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 例えば,HTTPヘッダーのUser-Agent(ユーザー・エージェント)に記載されたデータから端末やWebブラウザの種類を判断し,携帯電話からのアクセスは携帯電話専用のWebサーバーに振り分けるといった処理を可能にする。また,本来はWebサーバーが処理すべきSSLの暗号化処理を肩代わりする「SSLアクセラレーション」機能や,やりとりしたデータを蓄えておいてサーバーの代わりにクライアントにデータを返答する「コンテンツ・キャッシュ」機能を搭載する製品も多い。

ECサイトの運営に欠かせない機器に

 こうした機能はいずれも,アプリケーションがやりとりするデータ部分を見ることで実現する。このようにしてアプリケーションのさまざまな処理を実現することから,「アプリケーション・スイッチ」と呼ばれるようになった。

 アプリケーション・スイッチは,Webサイトの信頼性向上と高速化の機能を1台で併せ持つ。大量のアクセスを高速かつ確実に処理しなければならないEC(電子商取引)サイトには不可欠となっている機器である。

 製品としては,Webアプリケーション・ファイアウォールの機能を統合するものも出てきている。サーバー・アクセスの高速化に加えて,サーバーのセキュリティも1台の機器で担おうという動きが進んでいるわけだ。

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