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 正解はC,D,E,Gとなります。

 今回は,BCMSN(Building Converged Cisco Multilayer Switched Networks)で最も重要な出題範囲の1つである,シスコ独自のルータ冗長化プロトコルHSRP(Hot Standby Routing Protocol)について見ていきます。何のために必要となるのかもよく問われるので,HSRPが開発された背景と概要について学習しましょう。

■デフォルトゲートウェイの冗長化

 企業ネットワークで機器の故障などにより障害が発生すると,企業活動に大きな影響が及ぶ場合があります。このため,企業ネットワークにおいては,1個所の障害により大規模にネットワークが停止する「シングルポイント障害」が生じない「ハイアベイラビリティ」のネットワークの設計が求められます。

 「ハイアベイラビリティ」は「高可用性」とも呼ばれ,障害が発生した場合のダウンタイムを最小化する機器や機能を実装することで実現可能です。

 その代表的なものとして,STP(Spanning Tree Protocol)を使用したスイッチの冗長化,ルーティングプロトコルを使用したルータの冗長化などが挙げられます。ルータの冗長化を行った場合,ホストPCのデフォルトゲートウェイについて考慮する必要があります。これについて図1で見ていきましょう。

図1●ルータ冗長化はデフォルトゲートウェイについて考慮する必要がある
図1●ルータ冗長化はデフォルトゲートウェイについて考慮する必要がある

 通常のPCは,デフォルトゲートウェイとして1つのルータしか登録できず,せっかくすべてのルータが冗長化されていたとしても,登録しているルータがダウンしてしまうと,ホストPCのデフォルトゲートウェイ設定を変更しない限り,予備のルータ経由で通信を復旧することができません。

 このため,デフォルトゲートウェイを冗長化する仕組みとして,クライアントに動的にデフォルトゲートウェイを把握させるIRDP(ICMP Router Discovery Protocol)やRIP(Router Information Protocol)リスナーなどが使用されますが,切り替わりに時間がかかる,ホストPCに特殊な設定が必要になるといった問題があります。この問題を解決するために開発されたのが,HSRP(Hot Standby Routing Protocol)などの仮想ルータを使用するプロトコルです。