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 クラウド・コンピューティングでは,Officeソフトのようなクライアント・アプリケーションも,ネットワーク経由で配信し得る。RIA(Rich Internet Application)が,その基盤となる。

 RIAが急速に広がるきっかけとなったのは,Ajax(Asynchronous Java Script+XML)の普及だ。Ajaxの要素技術(JavaScriptやDHTML)自体は,1998年に登場した「Internet Explorer 4」でほぼ完成していた。しかし,当時はクライアントPCの処理性能が低く,ネットワーク環境も整っていなかった。このため,JavaScriptやDHTMLを多用したアプリケーションは受け入れられなかったのだ。2000年代に,PCやネットワークの性能が飛躍的に向上したことで,RIAが花開いた。

 Googleが2008年9月2日にベータ版を公開したWebブラウザ「Google Chrome」には,Googleが開発した高速JavaScriptエンジン「V8」や,Webアプリケーションをオフラインで利用するための「Google Gears」が搭載されている。Ajaxアプリケーションは,ローカル・アプリケーション並みに快適に利用できるようになりつつある。

 また,Webブラウザの限界を超える「Adobe AIR(Adobe Integrated Runtime)」(米Adobe Systems)や「Silverlight」(Microsoft)といった技術の開発も進んでいる。Adobe AIRは,ブラウザ無しで,HTMLやFlash,PDFで開発したアプリケーションを稼働させる製品。Silverlightは,Webブラウザ上でのみアプリケーションを実行できる技術。ユーザー・インタフェースをHTMLよりも表現力に秀でた「XAML」というマークアップ言語で記述するほか,JavaScriptやRuby,Python,Visual Basic,C#といった複数の言語でプログラムを開発できる(画面1)。

画面1●リッチクライアントの技術が向上している
画面1●リッチクライアントの技術が向上している
画面はSilverlightを使った「Hard Rock Museum」のサイト。