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 「32事業者が新規チャンネルの立ち上げを目指しており,そのうち25事業者が有料放送を計画している」──。総務省が2008年10月17日に公表した次期BSデジタル放送(2011年7月以降のBSデジタル放送)への参入希望調査で,このような結果が得られた。

 25事業者が提供を希望する新規の有料チャンネル数の合計は57で,トランスポンダ(電波中継器)で約16本分の伝送容量に相当する。これに対して,次期BSデジタル放送で利用できるトラポンは,1.5GHz帯の携帯電話システムとの電波干渉の問題がある第21・23トラポンを含めても6本しかない。

 新規チャンネルの立ち上げを計画しているのは,WOWOWやビーエスFOX(BS-FOX),キッズステーション,ジュピターテレコム(JCOM)グループのジュピターエンタテインメントなどである。例えばWOWOWは,2チャンネルのフルHD(1920×1080画素)のHDTV(ハイビジョン)放送を新たに行う計画である。第1チャンネルを映画中心に,第2チャンネルをイベント中心にする。これらの有料チャンネルに現在BSデジタル放送で提供している1チャンネルを加えて,フルHDの3チャンネル体制の確立を目指している。

 BS-FOXも,フルHDの有料チャンネルを一つ立ち上げる計画だ。番組内容は娯楽,スポーツ,報道,ドキュメンタリー,教育などの総合編成を予定しており,これまで日本で放送していなかった番組を数多く提供することにしている。ジュピターエンタテインメントは,三つの新規チャンネルの立ち上げを計画している。画質は地上デジタル放送並みのHD(1440×1080画素)である。3チャンネルの番組編成は,「総合エンターテイメント」と「映画やドラマ中心」,「スポーツ中心」を想定している。キッズステーションも地上デジタル放送並みのHD画質で,親子向けの新チャンネルの立ち上げを目指している。

 東経110度CS放送「スカパー!e2」や東経124・128度CS放送「スカパー!」のSDTV(標準画質テレビ)チャンネルをHDTV化してBSデジタル放送に移す「既存チャンネルの高画質化」だけでは,番組内容が代わり映えしない。しかもHDTVのチャンネル数ではいずれ,東経124・128度CS放送のHDTVサービス「スカパー!HD」に及ばなくなる。スカパー!HDのチャンネル数は現在15だが,2009年10月には70になる。今回の参入希望調査の結果を受けて関係者からは,「新規チャンネルがどれだけ参入できるかが,東経110度衛星放送(BSデジタル放送と東経110度CS放送)の普及を左右することになるだろう」という声が上がっている。