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 NTTドコモが発表した2008年4月~6月期の決算を見ると,携帯電話の販売台数は前年同期比で2割減。2007年11月に新しい料金プラン「バリュープラン」を導入したことで,通信料金は下がったものの,端末の購入価格が高くなったことが要因と言われる。事業者側からは,携帯市場をどう分析しているのか。NTTドコモの須藤章二・執行役員販売部長に聞いた。

2007年後半に販売奨励金を廃止した料金プランを導入した。どんな影響が出たのか。

NTTドコモ 執行役員販売部長 須藤章二氏
NTTドコモ 執行役員販売部長 須藤章二氏

 新しい料金プランの導入によって,店による値段の差が少なくなった。従来は,価格の安さを売り物とした併売店の販売比率が高かったが,現在は,ドコモショップに顧客が戻ってきた。価格が同じであれば,丁寧な説明や手厚いサービスが重視される。特に東名阪でドコモショップへの回帰が目立っている。今後は都市部を中心に,ドコモショップを充実していきたい。

 都市部では,家電量販店も販売が増えている。こちらは複数のキャリアを見比べたいという人が多い。ポイントカードのポイントをためるため,一括払いで買う人が多いようだ。ドコモショップでは,分割で買う人が大半を占める。

販売店はどのように増やしていくのか。

 2008年度中に150店舗を増やす予定だ。ドコモスポットと呼ばれる中小規模の店舗も,ドコモショップに変えていく。5300万人のユーザーがいて,部品の取り替えなど,相談のニーズがある。端末の販売だけでなく,おサイフケータイやクレジットカードのDCMXといったサービスの対応も増えてきた。利用方法を案内するコンサルティングの要素を盛り込んでいく。

なぜ現状の販売方法を採用したのか。

 総務省が主導したモバイルビジネス研究会の報告書が示した,端末料金と通信料を分離するプランを導入した。ソフトバンクは端末価格を特別割引で通信料金から値引きしている。だが,今後,2010年以降は分離プランに完全移行するといわれている。そのときにはソフトバンクのプランはありえないだろう。

 通信料金は安くなっているとはいえ,販売奨励金を削減するとなれば,端末価格は上がる。そこで割賦販売が必須となった。頭金0円としているため,不毛な価格競争にならない。販売代理店も赤字を出しながら,値引きに踏み切ることはない。

 ドコモには,バリューとベーシックの二つのプランがあるが,利用者には基本料金が下がるバリューをお薦めしている。5300万ユーザーの中で,バリューを選んでいるのは約1000万。あとの4000万は旧タイプの料金プランだ。

販売方法が変わったことで,販売台数が減り,販売代理店の業績が苦しくなったと言われる。

 販売奨励金がなくなることで,一概に販売店が損をするわけではない。従来の販売奨励金は値下げの原資で,販売店の手元に残っていたわけではなかった。携帯電話事業者は,奨励金とは別に販売の手数料を販売店へ支払っている。この手数料は従来と同じだ。

販売台数の減少についてはどう見ているか。

 2008年4~6月は販売台数が昨年比で2割減となった。これは想定よりも低かった。ただ,今年の冬はMNP(携帯電話の番号ポータビリティ)の導入から2年目となる。2006年末に割賦販売を導入したソフトバンクのユーザーも2年満期を迎える。今年の冬は買い替え需要が活性化するかもしれない。ドコモとしても,利用者のライフスタイル向上を訴える意欲的な冬モデルを投入し,目を引いていきたい。

地域ドコモを合併したことで販売面にはどんな効果があるか。

 従来は地域ごとに販売代理店の手数料が若干違っていたが,1~2年で同じ形態にしていく。ただ,局地的な競争などには対応できるように柔軟性も持たせる。

 在庫は地域会社ごとに管理してきたが,一元管理できるシステムを作り,柔軟に在庫の対応ができる体制をめざす。年末に向けてシステムを作る。

 販売員の研修プログラムについても,全国で手法を統一した。従来は,地域ごとに細かな違いがあった。販売員が別の地域に移動しても,問題なく仕事ができるようにした。