IT業界“3K”説は迷信だった――。ITに携わるビジネスパーソン(ITパーソン)の多くは、少々の苦労や悩みはあるにせよ「ITの仕事に携わって良かった!」と思っている。ITに携わらない人(nonITパーソン)に比べても、ITパーソンは恵まれた環境で働いているようだ。
以下では、20代から50代のビジネスパーソン3392人の調査結果を基に、「ITの仕事」の実態を世代別や業種別に解き明かす。
8割を超える人が「現在の仕事に携わって良かった」と思っている
8割を超えるビジネスパーソンが、「現在の仕事に携わって良かった」と思っている。「強く思う」「やや思う」の回答は、それぞれITパーソン(外円)がnonITパーソン(内円)を上回った。
ITの仕事はネガティブな側面が話題になることが多い。だが、実態は違った。ITパーソンの世代別で見ても差異はなく、「良かった」と思う割合はどの世代でも8割を超えた。


「良かった」と思う理由は仕事への興味とスキルアップ
現在の仕事に携わって「良かった」と思う理由は、ITとnonITで大きな差が表れた。両者とも1位は「興味・関心がある」、2位は「スキルを高められる」であるが、それぞれの回答率はITパーソンがnonITパーソンを10ポイント近く上回った。
ITパーソンは、現在の仕事が「自分のためになる」ことを強く実感しているといえる。一方、「職場の人間関係」や「待遇」「社会への貢献」では、ITパーソンの回答率がnonITパーソンを下回った。
IT業界は他業界より「良い」業界だ
IT業界に勤めるビジネスパーソンにとって、隣の芝生は青く「見えない」ようだ。
現在勤めている業界が「他業界より良い」と回答した割合は、IT業界従事者(平均34.4%)が非IT業界従事者の平均を約5ポイント上回った。
「他業界より悪い」と感じる割合では、IT業界従事者の18.6%であるのに対し、非IT業界は平均28.9%に達した。建設・不動産業では半数が「他業界より悪い」と答えた。