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 データモデルの構造が大体固まってきたら,細かい所を確認していかなければなりません。今回は,データモデルの細かいところをレビューで確認する際に有用な,ちょっとした工夫をご紹介しましょう。

発注者はレビューポイントを見失う

 データモデルのレビューでは,発注者がレビュー個所を見失いがちです。文章で書かれた設計書であれば,文章の流れに沿って説明し,時には章のタイトルや構成の切れ目で確認しながら,レビューを進めることができます。しかし,ER図という「一枚の絵」を説明する場合は,そういうわけにいきません。ただでさえ見慣れない表記法のER図の解釈に気を取られるうえ,どこからでも見ることができるER図の上で,発注者の視点はすぐ迷子になってしまいます。

 このため,ER図のレビューの際には,発注者に対して「どこの議論をしたいのか」「どこが確認のポイントになるのか」を明らかにしたうえで,説明することが重要です。今回は,そのための2つの工夫を紹介しましょう。

タイプ分けして違う色で表現する

 1つは,エンティティをタイプ分けして違う色で表現し,イベント系エンティティに関してはデータの発生順序で並べ替える,というものです。

 この工夫を,受注→出荷手配→出荷実績という業務の流れとそれぞれの多重度を確認するためのER図(図1)に適用してみましょう。

図1●工夫を適用する前のER図
図1●工夫を適用する前のER図

 まずは描いたエンティティを,イベント系エンティティとリソース系エンティティに分類します。イベント系エンティティとは,受注,発注などの業務活動によって発生・増加するデータ,リソース系エンティティとは,商品マスターや取引先マスターなど,イベント系エンティティが参照するマスターデータのことです。

 そのうえで,イベント系エンティティをインパクトのあるピンク色に,リソース系エンティティを緑色で表してみます。そして,イベント系エンティティをデータの発生順序に沿って左から右に並べて配置します(図2)。

図2●イベント系とリソース系を色分けし,イベント系エンティティを発生順序に沿って左から右に並べたER図
図2●イベント系とリソース系を色分けし,イベント系エンティティを発生順序に沿って左から右に並べたER図

 いかがでしょうか。並べ替えて色を付けただけですが,直感的にイベントの流れ,業務の流れを追いやすくなります。発注者に説明する際も,「左からイベントの流れを順に見て行きます。まず受注登録を行い・・・」と説明することができるようになります。