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セマンティックWebを実現するための最大の課題は、メタデータの付与である。その解決には、いくつかの技術的アプローチがある。それぞれの技術分野において、複数のベンチャー企業が自らのアイデアを基に、いかに早くゴールにたどり着けるかの、熾烈な競争を始めている。

 セマンティックWebのゴールは、この概念の発案者であるティム・バーナーズ=リー氏らの構想によれば、「知性の集合」を開発し、これの利用と拡張を簡単にするWebアプリケーションを提供していくことである。しかし、そこには大きな課題がある。「誰がメタデータを付与していくのか」だ。

 現状、コンテンツ制作者のほとんどはメタデータを気にかけていない。つまり、メタデータを付与していない。だからセマンティックWebに準じた自動処理ができない。アプリケーションが入り組んでいない比較的単純な状況では、メタデータの付与は、タグ付けやクライアントサイドのアプリケーションによる対応(いわゆるWeb.2.0的アプローチ)で十分可能である。しかし、より入り組んだ状況になった場合には、システマティックなアプローチが必要となる(図1)。

図1●Web進化に向けたアプローチ手法の比較
図1●Web進化に向けたアプローチ手法の比較
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 そこでいま盛んに議論が進んでいるのが、すでに制作され流通しているコンテンツにメタデータを埋め込む方法である。大きく分けて、ボトムアップとトップダウンの2つの方法がある。

 ボトムアップ型は、言ってみれば伝統的な手法である。Web上のページやデータに直接、メタデータを埋め込むようなスタイルだ。この手法だと、すべてのWebサイトをセマンティックにすることは可能ではある。だが、サイトのオーナー全員がセマンティックWebの仕組みやデータ形式などを知っていなければならず、アプローチとしては非現実的といえる。

 一方のトップダウン型は、既存情報の分析結果に基づいて、自動的にメタデータを作成する手法である。すべてのユーザーが、セマンティックWebのデータ形式などを知る必要はなく、この点では現実的なやり方といえる。ただし、分析結果が不十分だったWebサイトについては、ボトムアップと同じく手動でメタデータを付与する作業が必要になる。

セマンティックWebの仕組みについては、「セマンティックWeb概論」をご覧ください。