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 間もなく開催されるIT Pro Connections Conferenceで,筆者は「ITのプロフェッショナルが眠れない理由(IT pros awake at night)」というパネル・ディスカッションの議長を務めることになっている。Microsoftの人々と話すときに,私が眠れないほど心配となる問題はいろいろある。その中でもひときわ抜きん出ているテーマが,ITインフラストラクチャの最適化を計るMicrosoftの「Dynamic IT」戦略である。

 MicorosoftのDynamic IT戦略が基本的に目指しているのは,ITを常により効率化してビジネス・コストを削減することである。ITインフラを最適化することによって,企業のシステムは問題が発生してから対処を考えるというベーシックなレベルから一歩前進する。つまり,標準化と合理化が進めていくことで,最終的には問題発生前に対処し,問題の影響を最低限に抑える動的(Dynamic)なシステムになるというのがMicrosoftの主張だ。Microsoftは「このDynamic IT戦略と経験豊富なMicrosoftのチームによって,コストを削減し効率を向上させるようなツールと技術を先進的な考えを持つ組織ではすでに導入しつつある。ITインフラを標準化かつ自動化することで,よりしっかりと管理した管理を実現した組織では,パソコン1台当たり年間数百ドルも節約できることがわかるだろう」と語っている。

 ここまで読んだ読者は,「Dynamic IT戦略を自社にどうやって導入すべきかを考えて,ITのプロフェッショナルは夜も眠れない」と私が考えていると思ったかもしれない。もちろん実際にはそうなのかもしれないが,私が心配しているのはそれとは別のことだ。

 Microsoftは,Dynamic IT戦略で効率を上げれば,ITのプロフェッショナルに自由な時間が生まれて,より戦略的な作業に集中できる,と主張する。私が心配するのは,こうして時間の空いたITのプロフェッショナルが“会社にとって不要な存在”ととらえられてしまう企業が多いのではないかということだ。もちろん,いくつかの企業では「目の前にある問題に対処するためにITスタッフのほとんどの時間を費やすのではなく,戦略的に考え将来の革新を計画できる時間として使うべき」という考えに賛同するだろう。だが,経済が停滞した現在の状況の中では,多くの企業が効率化を理由にITのプロフェッショナルを置いているポジションを削減するのではないかと考えると,私は“夜も眠れないほど心配”なのである。

 Dynamic IT戦略の基本となっているITインフラの最適化という考え方が,Microsoftにいかに浸透しているかを具体的に述べよう。

 筆者は最近,MicrosoftでSupport and Health Services部門のジェネラル・マネージャーを務めるCharlie DeJong氏と話す機会があった。そこで私は「Premier Ultimate」というMicrosoftが開始した新しいサポート体制について話をした。それによると,Premier Ultimateは「最新のプレミア・サポート・ファミリを基に,24時間365日体制で提供するプロアクティブ(訳注:「前もって積極的に行動する」という意味)なIT健全性評価,(オンサイトおよび専用の)アカウント管理,オンサイト・サポートなどの最新機能と究極の問題解決サポートを組み合わせたサービス」としている。

 さらに,「Premier Ultimateでは,自社の環境を長期にわたり運用し,知識もある既存の顧客をサポートする。私たちは顧客の問題の履歴,弱点,ITプランを評価し,プロアクティブな予防サービスを付加するロードマップを顧客と一緒に作成する。顧客はこの予防的なサービスを3年間の契約で導入する」とDeJong氏は付け加える。

 この新しいサポート・サービスは一部の大手顧客のみを対象としたものだが,企業の効率化をサポートするというMicrosoftの姿勢が,このサービスには如実に現れている。「ITインフラの最適化に精通すればするほど顧客は健全になり,満足度も高まる」とDeJong氏は述べる。「顧客のデータを検証すると,プロアクティブなサービスを導入すればするほどより健全になり,事後対応的なサポートは不要になる。このことは,ほぼ同時に顧客も気が付き始め,これまでとは違う関係をMicrosoftと築きたいという意見も耳にし始めた。私たちはよりプロアクティブに顧客のIT面での課題に集中し,ITの稼働時間を高め,日々の問題解決に割かれる時間を少なくし,問題が発生したときに事後対応で取られる時間を少なくすることに注力する」と続けた 。

 ITインフラの最適化は,概してPremier Ultimateサービスのように,ITの負担を軽減し,ITがビジネスに貢献できるように進化させてくれる。不眠不休で働いているITのプロフェッショナルが多いことを考えると,ITがより効率化することを心配して不眠症にまでなる必要はないかとも思う。だが,企業がそのメッセージを都合よく解釈してしまうのではないか,という点はやはり心配だ。筆者は,問題に事後対応するのではなく,変革に集中することによって,ITが経営により大きな価値をもたらしうるということを,企業の経営陣にいかに説明するかを考えて眠れない夜を過ごしている。読者の皆さんのお考えは,どうだろうか。