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企業内で「1人1台」がもはや当たり前のPCだが、社外では4人に1人が個人で購入したPCを仕事に使っているのが実情だ。書類作成や電子メールといった軽作業中心ながら、情報漏洩の要因には違いない。だからといって社外でのPC利用を禁止するのは極端だ。セキュリティ関連のテクノロジを適用し、社員の生産性向上や、ワークライフ・バランスを改善すべきである。

 「ノートPCを持ち出し禁止にしても逆効果」――。

 これは、ITの総合サイト「ITpro」に掲載された短い記事の題名である。2006年10月に書かれた、この記事は今も、思い出されたように読者から読まれ、記事アクセス・ランキングの上位に顔を出すこともある。

 記事は、アサヒファシリティズの河野雅英IT管理室長の談話をまとめたものだ。同社は竹中工務店グループで建物の管理を手掛けている。河野室長はこんなことを言っている。

 「ノートPCを持ち出し禁止にするなど、極端に効率性を犠牲にするセキュリティ強化には意味がない」。

 「セキュリティ対策にルールは欠かせないが、業務効率を無視したルールを作ってしまうと、必ず違反する社員が出てくる。経営トップから末端の社員まで、誰もがルールを守らない、といった状況が起きかねない」。

 この記事が繰り返し読まれたのは、河野室長の発言に共感する、人々が多いからに違いない。「パソコンの自由を求める」人々だ。裏返せば、パソコンの自由を“奪おう”とする動きが顕著になっているということだろう。

8割弱が職場以外でパソコンを利用

 パソコンの“自由”と“不自由”の実態を明らかにすべく、日経コンピュータ誌は日経BPコンサルティングと共同で、「仕事のためのパソコン利用」に関するアンケート調査を2008年6月に実施した。

 同調査によれば、職場以外でパソコンを仕事のために使うことに対し、「役立っている」が39.6%、「まあ役立っている」が40.2%に上る(図1のQ1)。両者を合わせれば、8割弱の回答者が、職場以外でパソコンを仕事に利用したいと考えている。

図1●職場以外でのパソコンを仕事に利用することについては、8割弱が「役立つ」と感じている
図1●職場以外でのパソコンを仕事に利用することについては、8割弱が「役立つ」と感じている
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図2●時間や場所を問わずに仕事ができることがメリット
図2●時間や場所を問わずに仕事ができることがメリット
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 そこでの業務・作業としては、「書類作成」が76.3%で最も多い。それに「電子メールの送受信」が66.6%、「Webサイトへのアクセス」が60%強で続く(図1のQ2)。

 職場以外でパソコンを仕事に使うことが役立つ理由は、「時間に関係なく仕事ができる」と「場所を問わず仕事ができず」というもので、パソコンの自由さを評価しているわけだ。

 自由意見でも、「最初は不要だと思っていたが、社外で仕事のアイデアを練ったり情報収集したりと、使い始めると便利この上ない」といった声や、「思いついた時にネットで情報を確認したり、資料をまとめたり、重宝している。小さな子どもがいるため、時間を柔軟に使いながら仕事ができるのは大きなメリットだ」といった声が上がる。

 職場以外でパソコンを仕事に使っても役立たないとする人々の理由は、「職場以外では仕事の効率が上がらない」が48.6%と最も多い。通信環境やパソコンの性能・使い勝手などの不十分さを指摘する声は20%前後にとどまる。

 ただし、本誌調査で気になる結果が出た。職場以外で仕事のために使っているという回答者の実に56.4%が個人で購入したプライベート用のパソコンを利用していることだ(図3のQ5)。ノート型とデスクトップ型の比率はほぼ同数である(図3のQ6)。

図3●使いたいから自分でパソコンを買う<br>5割強がプライベート用のパソコンを職場以外で仕事に利用している
図3●使いたいから自分でパソコンを買う
5割強がプライベート用のパソコンを職場以外で仕事に利用している
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