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「小林さん!たいへん,たいへーん」
「どうしたの,鶴橋さん?」
「来年の,年賀状CD-ROM素材集の新刊がまたたくさん,どーんと入って来ましたよ!」
「そういう季節なんだねエ。だいたい,あれはもう10月から出てるから」
「それとこっちからは,情報処理技術者試験関係の新刊がまたどーんと!」
「来年から新制度に変わるっていうんで,各出版社気合いが入ってるからねエ」
「それにまたあっちからは,いつも通りのコンピュータ書の新刊の山がどーんと!」
「また今日は多いねエ」
「どうするんですか,小林さん。もう棚も平台も積む場所なんかないですよ!」
「なんとかするんだなア」
「なんとかって・・・。年賀状の素材集なんか,どれもみんな表紙が牛のイラストで,見てて恐いですよ。もう出版社に『本当にいいかげんにして』って言いたい」
「駄目だよ,そんなこと言っちゃ。版元さんあっての本屋なんだからね。鶴橋さん,牛が嫌いなの? さ,そんなことより,10月のベストを見ていきますか」

「1位は,例によって三笠書房の『たった3秒のパソコン術』ですね。これも息が長いな」
「同じく三笠書房の『たった3秒のネット術』も4位に入っているし」
「2位は翔泳社の『クラウド化する世界』,新刊でしたね」
「刊行早々,電波媒体で取り上げられたことで火がついたっていう感じだね。今日もお客様からクラウド・コンピューティングについてのお問い合わせをいただいたけれど,まだあんまり本が出ていないんだ。英治出版から『クラウドソーシング』という本が出て,ビジネスの売り場でよく売れているけど。それで,この『クラウド化する世界』だけど,電力についての話があったりとか,クラウドについてだけ書かれた本ではないんだ。原題が“The Big Switch”だしね。それでもこのタイトルで出たことで,うまく時代の関心に合ったラッキーな本かもしれない」
「クラウドって,雲のこと?」
「コンピュータのシステムを図で表すとき,ネットワークを雲の図で表すんだ。まあ,インターネットの雲ってところかな」
「雲の絵?まあ,牛の絵よりはましですか」
「いいかげんにしなさい。3位がこれも新刊,日経BP出版センターの『すべてわかる仮想化大全』。これまでも「VMware」とか「Xen」といったソフトの解説書がけっこう売れていたけれど,とうとうここに至ってベストに入ってきたという感じだな」
「ふうん」

「さて,5位を飛ばして,6位が技術評論社の『24時間365日サーバ/インフラを支える技術』。これは先月3位だったけれど,まだまだ順調に売れているね」
「飛ばした5位は,日経BP出版センターの『ITアーキテクトのためのシステム設計完全ガイド』・・・」
「うん。そして7位が翔泳社の『ITILファウンデーション』,8位がソーテック社の『ITサービスマネジメントの仕組みと活用 ITIL入門』,10位が技術評論社の『要点解説ITILがわかる!』,という具合にITIL関連の既刊書籍が名前を連ねている」
「そういえば,この分野はよくお問い合わせを受けますね」
「SaaS関連の書籍もよく売れている。リックテレコムから出ている『ブロードバンドSaasがつくる新市場』は10月に刊行されてからよく動いているし,毎日コミュニケーションの『SaaSで激変するソフトウェアビジネス』なんかはこの頃また売上を伸ばしている。コンピュータ書もアプリケーションの解説本から,IT運用について解説する方向に重心がシフトしてきているってことを実感するね」
「9位が工業調査会の『JW_CADで学ぶ建築製図』,で,全部かな?」

「さ,じゃあ鶴橋さん,棚ざしにかかろうか」
「でも,わたし,やっぱりこの牛のイラスト苦手だな。さ来年の寅の方がもっと可愛いと思う」
「そうか,ネ,ウシ,トラで,さ来年は寅年か。寅の次ってなんだっけ?」
「やだ,日本人なのに知らないんですか。寅の次は卯ですよ,ウ!」
「ウ? ウって何? ウナギ?」
「本当にいいかげんにして」
注:アルバイトの鶴橋さんはもちろん,小林君も(偶然筆者と姓が同じというだけで)架空の人物です。