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 環境に最も良いとされるのは、二酸化炭素(CO2)を排出しない自然エネルギーを使って発電し、データセンターを動かすことだ。例えば、水力発電や太陽光発電による電力である。

 これまで、大量に電力を必要とするデータセンターへの電力需要を自然エネルギーだけでまかなうのは難しいとされてきた。しかしここへ来て、部分的にではあるが自然エネルギーによって発電した電力を使うデータセンターが登場しようとしている。

 NTTPCコミュニケーションズは、2008年12月末に竣工する「東京第8データセンター(仮称)」に、太陽光発電の設備を導入することを決めた。大手事業者としてはかなり先進的な取り組みだ。

 同社のネットワーク事業部データセンタ営業部の角田智昭氏は、「データセンターについて、環境にどのような配慮をしているか教えてほしい、という要望が増えている」と、ユーザー企業にも環境配慮の動きがあることを証言する。

 東京第8データセンターは東京都江東区に新築した建物内に、1800のラック設置スペースを確保。2009年3月までに、屋上に太陽光パネルを設置して発電を開始する(写真1)。まずは面積225平方メートルのパネルを使って、15~20KWを発電する計画だ。

写真1●内装工事が完了したばかりのサーバー室内
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 発電量は、データセンター全体からすればわずかであるうえに、時間帯や天候によって変わるため不安定だ。そこで、まずは会議室やサーバー室で使う電力の一部として使う。「既にデータセンターの利用を決めたユーザー企業からの要望もあって採用を決めた。業界動向や、技術進歩、政府支援の動きを見ながら、将来的にはIT機器への電力供給にも利用していきたい」(角田氏)。

水冷方式の冷却設備を全面採用

 同社は、ほかにも環境配慮の施策をいくつか実施する計画だ。まず水冷方式の冷却装置を全面的に導入した。屋上には冷水を循環させるための設備が並ぶ(写真2)。ここから室内の空調機やIT機器に冷水を供給し、温度を下げる。建物の地下には冷水用のタンクが埋め込まれているという。

 「漏水を懸念する企業がいることは分かっていたが、冷却効率が高いため、採用に踏み切った。通常の空調設備では、ブレードサーバーなどの高集積機器を冷やすために大量の電力を消費してしまうからだ」と、水冷式設備採用の理由を角田氏は説明する。「もちろん、漏水対策を徹底した」。

 同じ屋上で、100平方メートルのスペースを使った緑化にも取り組む(写真3)。屋内ではLED照明を使うなどの地道な省エネ策も取り入れた。

写真2●屋上には巨大な水冷設備が並ぶ
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写真3●敷設作業中の屋上緑化用植物
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 これらは直接ユーザー企業向けのサービスや料金に影響がある取り組みではない。NTTPCコミュニケーションズとしてのCSR(Corporate Social Responsibility)活動の色合いが強いといえるだろう。ただ、環境配慮の意識が高い企業向けサービスは、今後強化していく予定だという。「このデータセンターを軸に、カーボンオフセットやグリーン電力の導入支援などのサービスを提供する計画だ」と角田氏は話す。