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 先日,中国大手検索サイト「百度」(Baidu)がCtoCプラットフォーム「有●(口(くち)偏に阿)」(you a)のベータ版を公開し,選ばれた6万ユーザーが先行体験をしました。中国のCtoC市場は,アリババ傘下の「淘宝」(Tabao),ebay(イーベイ)中国である「易趣」(ebay),テンセント(Tencent)傘下「拍拍」(PaiPai)の大手三社が占めています。今回の百度のCtoC市場への進出は,この勢力図が書き換えられる可能性が高いことを意味します。

 百度のCtoC市場進出の背景には,ネット・ショッピングという新しい購買概念が,すでに中国のネットユーザーに浸透してきていることがあります。単なる便利さや品揃えの豊富さだけではなく,ショッピング・サイトに通じて最新の流行・情報を把握できることも,「淘宝」が代表するCtoCプラットフォームに人気がある理由のひとつになっています。

 「網購市場」とは,エンドユーザーが個人消費者であるBtoCとCtoC市場のことで,中国で使われているマーケティング用語です。2008年上半期(1~6月)だけで網購市場の成約額は531.5億人民元(約7兆8千億円)に達し,すでに2007年の年間成約金額(561億人民元)規模に近づいています(iResearchが発表したデータより)。網購市場の中で,CtoC市場が占める成約金額は全体の93.8%を占め,同期成長率は38%となっています。

 ここで,筆者が特に注目するのは,網購市場の中で同期成長率が58%に達したBtoC市場です。2008年3月から「VANCLー68元“初体験”」というバナー広告が,中国ネットサイトのいたるところで見られます。「VANCLとは何?」。初めてこのバナー広告を見た瞬間,誰でも疑問に思うでしょう。

 「VANCL(www.vancl.com)」は,2007年に設立したメンズ・ファッションのブランドです。リアル店舗を持たず,総て自社サイト上で取引をしています。しかし,たった6カ月で,月間売上高が2,000万人民元(2008年3月)に達したとも言われました(「VANCLのCEO陳年への訪談」)。

 同社の成功の要因は,ウェブ・プロモーション戦略にあります。2008年2月に,ウェブ・プロモーションの予算をたった20万元分増加することで,月間300万元の売上高から2,000万元までに伸ばしました。その後,VANCLはプロモーション手段を,マスメディアからウェブを中心に切り替えることになりました。VANCLのプロモーション手法は中国で話題になり,いくつかの中国有名アパレルメーカーがネット販売システム整備に力を入れる動きを見せています。

 百度がCtoC市場に向けて進出している一方では,伝統的な生産メーカーもウェブ販売化を積極的に進めています。中国の網購市場が日々盛り上がっていくことは,間違いありません。

本コラムは,アウンコンサルティング海外(英語圏・中国語圏)マーケティング総合情報サイト【CBM-ch】に連載中の「旬感マーケティング~グローバルマーケティングブログ~」を再録したものです。同サイトでは,海外(英語圏・中国語圏)SEOや検索連動型広告など検索エンジンマーケティング(SEM)に関する詳しい情報を掲載しています。
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