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 データセンターの利用がここにきて増えている。複数のデータセンター事業者(IDC)は「特に都心型のデータセンターは盛況。空きスペースが足らないので,貸せませんとお断りする場合もある」と強気の姿勢を示す。データセンターに設置したサーバーの監視機器を販売するメーカーも「データセンター需要が旺盛で,機器販売も好調だ」と語る。ここまでデータセンター市場が好調な背景には,自社サーバー・ルームでは電源や空調能力が限界に達していることがある。さらに内部統制強化にともなうセキュリティ対策が限界に達していることも大きな要因だ。

利用増で選択失敗も増える

 その一方で,「データセンター選びに失敗した」というユーザーの声が多く聞かれるようになってきた。情報サイトを運営するA社の担当者は,「データセンターでは,ゴミが捨てられないんです」と打ち明けた。A社が利用するデータセンターは,ゴミを一切引き取ってくれない。データセンターに自社で手配したサーバーを持ち込むたびに,サーバーの梱包材を抱えて持って帰る必要がある。「安いと思って入ったが,細かい配慮はほとんどないことに後で気づいた」と担当者は不満を漏らす。

 ゴミぐらいであれば,まだ何とかする余地はある。しかし,笑えない話も多い。例えばECサイトを運営するB社は,「サーバーをこれ以上増やすなとIDCから要請された」という。データセンターが供給できる電力が限界に達したからだった。このデータセンターは,サーバーが増えた場合に,どこまで電力供給が可能かを厳密に確認できていなかった。「サーバーを増やさないと,システム自体が運用できなくなる」。そう考えたB社の担当者は,このデータセンターの利用を続けるわけにもいかず,引っ越しを余儀なくされた。

要件が違う

 こうしたデータセンター選択の失敗例が増えている背景について,データセンター選定を支援するイントリーグの永井昭弘氏は,「要件の違いが存在するからだ」と指摘する。それは,システム構築の際に決める要件と,データセンター選定での要件はかなり勝手が違うということだ。例えばデータセンター選定では,十分な耐震構造か,供給電力量が不足しないか,自社から行ける距離か,などを検討する。これらは,システム構築ではなかなかお目にかかることのない要件だ。過去にこうした要件を検討した経験がなければ,自社にピッタリのデータセンターを選定するのは難しくなる。

 さらにデータセンターの内情まで知らなければ検討できない要件もある。先ほどのゴミの話以外にも,「すぐに駆けつけられるようにオフィスから近いデータセンターを借りた。しかし入館手続きはいつも長蛇の列で,入館までには想定以上の時間がかかることに借り始めてから気づいた」「24時間日本語電話対応とのことで契約を決めた。しかし,いざ障害が発生して緊急連絡をしたところ,日本語がつたないオペレータにつながり,状況説明に時間がかかった。確かに24時間日本語だけど…」といったものまである。

データセンター選定を支援

 データセンター選定はシステム運用の上でとても重要だが,このようになかなか難しい作業だ。そこで日経SYSTEMSでは,データセンターを選定する際の参考となるWebサイト「「データセンター・コンパス」」を開設した。ここの主要コンテンツは,特徴のあるデータセンターを取材して紹介する「データセンター100選」,分かりにくい選定の要件を解説した「データセンター選びのチェックポイント」,難解なデータセンター専門用語を読み解く「データセンター用語集」などだ。

 さらに今後は,特徴あるデータセンターを紹介するだけでなく,データセンター選びのチェックポイントとして「データセンターRFPの書き方」や「上手なデータセンターの値切り方」,「データセンターの実力を測る質問の仕方」など,実践的なコンテンツも公開していく予定だ。

 このサイトの読者には,失敗しないデータセンター選定のコツをしっかり届けたいと考えている。そのために,読者の方に一点だけお願いがある。より役立つ情報を提供するために, ユーザーの方々がどんな用途でデータセンターを利用しているか,どんな情報が必要かを教えてほしい。下記の調査名からリンク先へ移動して,アンケートにご協力いただきたい。その結果を基に取材を重ね,サイトのコンテンツとしてお返しするつもりだ。

 調査結果は個人を特定できない形で集計・分析し,日経SYSTEMSやITproで公開する予定だ。