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プラットフォームランキング

(2008年1月1日~12月14日)
1位松下電器、オキシライドよりさらに長持ちの乾電池を発売
2位Google,オープンソースのWebブラウザ「Google Chrome」を公開へ
3位消費電力を2割弱減らしたエコなCPU――低消費電力版新型Athlonの実力を検証
4位Microsoftが自社の「クラウド」を説明,ラックから「コンテナ」に移行
5位日本IBMが幕張データセンターを初公開,アウトソーシングの新拠点
6位ヴイエムウェア、サーバー仮想化ソフト「VMware ESXi」を無償化へ
7位グーグルがデータセンターの電力効率性を一部公開、PUEは驚きの「1.21」
8位【洞爺湖サミット】使えば使うほど味が出る、富士通が木材や布でできたパソコン
9位「熱と故障を押さえ込む」、日立が東大の1万5000コア“国内最速”スパコンを公開
10位【仮想化フォーラム】「コスト削減はサーバーが20%,ストレージは41%」,デンソーが仮想化の効果を報告
11位【仮想化フォーラム】「サーバー仮想化をためらう4つの不安」――日立製作所の庄山氏
12位【Web 2.0 Expo】IBMが「横から入れる」ラック・サーバーを発表,実装密度は従来の2倍
13位Windowsをネットブートする基盤ソフト,OSイメージ共用でディスク領域削減
14位【Citrix Synergy】デスクトップ仮想化ソフト「XenDesktop」が出荷開始,10ユーザーまでは無料
15位【仮想化フォーラム】仮想サーバーの「負荷」に関する3つのポイントを押さえろ
16位帰宅する社員のパソコンを自動シャットダウン、パナソニック電工がシステム開発
17位仮想化ソフト「Hyper-V Server」が無料化,30日以内にMicrosoftが提供開始
18位10倍高速な「USB 3.0」の最終仕様が公開
19位【仮想化フォーラム】「アプリケーションの仮想化で安定したシステムを使い続ける」,富士市の深澤氏
20位【詳報】IBMの新型メインフレーム、x86サーバー1500台分の能力提供

 あらゆるシステム基盤技術は,データセンターの運用効率化や,その延長線上にある“クラウド・コンピューティング”を目指して進化を遂げてきた--。プラットフォーム分野における記事アクセスランキングを通して2008年を振り返ってみると,そんな印象を受ける。

 プロセッサからサーバー,ミドルウエアに至るまで,仮想化や省電力化を実現する技術・製品が次々と開発され,アクセスランキングの4分の3はこれらの記事が占めた。1年前はバズワードと思われがちだった“クラウド”への意識も,今では検討に値するものとして認識され始めたようだ。

 クラウド・コンピューティングの潮流をよく表しているのは,ランキング第2位の『Google,オープンソースのWebブラウザ「Google Chrome」を公開へ』だろう。成熟感が漂っていたWebブラウザの分野に,米Googleが新たなソフト「Google Chrome」を投入してきた。

 その目的は明確である。もはやWebは,単純なテキストのページではなくなり,リッチでインタラクティブなアプリケーション,つまりクラウド・コンピューティングへと進化を続けている。「我々に必要なのは,単なるブラウザではなく,Webページとアプリケーションのための現代的なプラットフォームである」と同社は述べている。Webページの表示エリアを最大限に確保した画面インタフェースや,信頼性の確保,処理速度の向上など,Webアプリケーション(クラウド)をより快適に利用するための機能強化が特徴となっている。

 大手ベンダー自身のデータセンターを紹介した記事も,大いに注目を集めた。第4位の『Microsoftが自社の「クラウド」を説明,ラックから「コンテナ」に移行』では,米Microsoftが約30万台のサーバーを運用し,1人の管理者が平均5000台のサーバーを運用している,などの実態が明らかになった。

 一方,世界最大規模のデータセンターを運用しているGoogleは,グリーンITへの取り組み成果をアピールした。第7位の『グーグルがデータセンターの電力効率性を一部公開,PUEは驚きの「1.21」』のタイトルが示す通り,データセンターの電力効率指標の1つである「PUE」(データセンター全体の消費電力をサーバーなどのIT機器の消費電力で割った値)で世界トップクラスの数値を達成しているという。どのような施策による成果なのか,具体例は非公開だったが,データセンターの規模とは無関係に電力効率を高められることが分かる。

 データセンターの運用の効率化に不可欠な「仮想化技術」は,昨年以上に動きがめまぐるしかった。例えばサーバー仮想化ソフトの分野では,ソフト本体(ハイパーバイザー部分)の無償化が相次いだ。それらを報じたランキング6位の『ヴイエムウェア,サーバー仮想化ソフト「VMware ESXi」を無償化へ』やランキング17位の『仮想化ソフト「Hyper-V Server」が無料化,30日以内にMicrosoftが提供開始』が話題を集めている。オープンソース・ソフトであるXenと並び,主要なサーバー仮想化ソフト本体がそろって無償となった。サーバー仮想化が本格的な普及期を迎え,仮想化ソフト・ベンダーのシェア争いが今後どうなるのか,気になるところだ。

 クライアントPCの運用管理に関連した記事も4本ランクインした。16位の『帰宅する社員のパソコンを自動シャットダウン,パナソニック電工がシステム開発』では,入退室管理システムと連動した,ユニークなPC電源管理ソリューションを紹介している。社員が会議室などに移動したり,帰宅したりすると,クライアントPCを自動的にスリープ状態にするかシャットダウンするというものだ。そのほかは,いずれもシンクライアントに関する記事で,「ネットブート型」「仮想デスクトップ型」など,実現方式も多様である。