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今や改善活動の代名詞となっている「トヨタ式改善」。本来は製造業の改善手法だが,IT の現場でも利用価値が高い。実際に導入して業務のムダをそぎ落とした三つのケースを紹介する。

 カンバンをはじめとする「トヨタ式改善」注1は,もともと製造現場で培われた改善手法だが,今ではすかいらーくや中部国際空港,日本郵政公社など業種を問わずに導入が進んでいる。ITの現場も例外ではない。この1~2年で,富士通やNEC,NTTデータなどが相次いで開発・運用の現場にトヨタ式改善を取り入れた。

 業務改善のコンサルティングを手掛けるチーム・ワーカーの面地誠二氏(代表取締役社長)によれば,トヨタ式改善の本質の一つは「ムダ取り」にあるという。本家のトヨタ自動車は,「作りすぎのムダ」や「不良のムダ」「在庫のムダ」など製造現場で生まれる「七つのムダ」を定義し,それらを徹底的にそぎ落とす対策を何重にも打っている。

 ただしこれは製造業におけるムダの定義であり,そのままITの現場にも当てはまるわけではない。ITの現場におけるムダとしては,面地氏がトヨタ式改善の「七つのムダ」を事務系職場向けにアレンジした「五つのムダ」が参考になる(図1)。

図1●改善活動で意識したい「五つのムダ」<br>業務改善のコンサルティングを手掛けるチーム・ワーカーの面地誠二氏が,トヨタ式改善の「七つのムダ」を事務系職場向けにアレンジした「五つのムダ」を示した。開発・運用の現場ではこの「五つのムダ」に着目し,これらを見える化して取り除く改善活動を考えることが有効だ
図1●改善活動で意識したい「五つのムダ」
業務改善のコンサルティングを手掛けるチーム・ワーカーの面地誠二氏が,トヨタ式改善の「七つのムダ」を事務系職場向けにアレンジした「五つのムダ」を示した。開発・運用の現場ではこの「五つのムダ」に着目し,これらを見える化して取り除く改善活動を考えることが有効だ
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 例えば「停滞のムダ」。設計仕様書の回答待ちやレビュアーの不在でデザイン・レビューができない,といったことがこれに当たる。

 手戻りに代表される「ミスのムダ」もある。要件漏れによる手戻り,障害発生時の対応業務など,品質に起因するムダは多い。

 せっかく作った機能が使われない,あるいは余分だったという経験をお持ちの方は多いだろう。これは「仕事そのもののムダ」だ。

 以下では,ITの現場におけるこうしたムダを取り除くことを目的として,トヨタ式改善の代表的な手法である「カンバン」「自働化」「アンドン」をアレンジして導入した三つのケースを紹介する。

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