PR
写真●西角 浩一氏 スクウェア・エニックス コーポレート・エグゼクティブ IT担当
写真●西角 浩一氏 スクウェア・エニックス コーポレート・エグゼクティブ IT担当
(写真:中村 宏)

 「自分の持てる力をすべて注がなければ、顧客に最適なソリューションを提供することなどできない」。ITベンダーの担当者には、これぐらいの気持ちを持ってほしい。最近、ユーザー企業からの連絡や注文が入るまで、待っている営業担当者が増えており、物足りなさを感じる。最近ではこんなことがあった。

 私がシステム担当責任者に就いたのは今年9月のこと。ところが1カ月、2カ月がたっても、付き合っているITベンダーの営業担当者から全く連絡が来なかった。

 取引先の責任者が変わったら、連絡を入れ、あいさつを兼ねて直接面談しようとするのが営業の基本だろう。複数のITベンダーと付き合っているが、自分からは一人も連絡してこないことに正直、驚いた。

 あいさつに来ないことを問題にしているのではない。責任者が変わったという動きがあったのにもかかわらず、何もせずのんびりとしている営業姿勢に疑問を感じるのだ。これでは、パートナー関係を築きたいというITベンダーの言葉にも説得力がないだろう。

 営業担当者の大事な仕事は、ユーザー企業との関係強化だ。ユーザー企業の責任者の異動は、ITベンダーにとって関係をより強固にできるチャンスにも、従来の関係を維持できなくなるリスクにもなり得る。重大な事態である。

 こんなときに、新任の責任者の顔や言葉遣い、考え方を知ろうともしない営業担当者が、ユーザー企業に最適なソリューションを提案できるはずがない。

 私は以前、ITベンダーでソリューション営業やプロジェクトマネジャーを担当していた。この経験からも、「新任のシステム責任者がどのような人物か」「今後のシステム強化の方向性」などの情報を収集することは重要な仕事だと思っている。

 営業担当者は、普段からユーザー企業とまめに対話することが欠かせない。こうしたこともせず、自分の都合で、製品を売り込んでくる営業担当者がいる。このような仕事のやり方をしている営業担当者から、ユーザー企業がモノを買おうという気にはならないものだ。

 ソリューションというのは、営業担当者の日常的な提案活動の積み重ねから生まれるものだ。思いつきで出てくるものではない。

 営業担当者がユーザー企業に足しげく通い、議論を重ねるうちに、課題が次第に明確になり、解決策を見つけ出すことができる。地道な活動を重視してもらいたい。

 ITベンダーに物足りなさを感じることは、ほかにもある。業務改革を実現するためのシステム化の方策を示す力が弱い気がする。自分たちが手掛けている製品やサービス以外の話になると、自信を持って語れない担当者は少なくない。

 当社では数年前から、ゲームソフトの開発効率を高めるためにBPRを進めている。この一環で、システムも見直している。

 どのようなシステムを整備するとゲームソフトの開発効率の向上に貢献するのか。この点について、数社のITベンダーに相談してみた。

 私は「コンテンツマネジメントシステムを導入してはどうでしょうか。理由は○○です」「プロジェクト管理ソフトを導入して成果を挙げた事例があります」といった助言を期待していた。ところが、当社の業務を全く理解していないように思えるものばかりで、参考になる提案が一つもなかった。悩みを解決するというのであれば、ユーザー企業の業務を知る努力は欠かせない。(談)