iPhoneのような業界に衝撃を与える端末を,なぜ米アップルが開発できたのか。ある有識者に取材でこうした問いを投げかけると「アップルにはスティーブ・ジョブズがいるからだ」と返ってきた。本書を読むとその意味がよく分かる。
製品開発における,理想を実現するための執着ぶりには驚く。部下に厳しい言葉をかけ,あらゆるアイデアを検討し,試作品の作成を繰り返す。余分な機能は容赦なく切る。ジョブズの思想は,機能の網羅性を重視する日本メーカーの開発手法とはまったく異なっている。
スティーブ・ジョブズの流儀
リーアンダー・ケイニー著
ランダムハウス講談社発行
1890円(税込)