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 前回は,立ち上げプロセス群についてお話しました。今回から,計画プロセス群の説明に移ります。今回は,計画プロセス群の概略を説明し,次回以降,個別のプロセスについて,説明を加えていくことにしましょう。

プロジェクト・スコープ記述書の正式版を基にWBSを作成

 下図は,PMBOKの全体構成を,単純化して表したものです。これからお話する計画プロセス群で実施するプロセスは,図のグレーの部分です。

図1●PMBOKの構成
図1●PMBOKの構成
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 計画プロセス群はプロセスの数が21個もあるので,わかりやすくするために,図1では,主なプロセスだけを示しています。

 計画プロセス群は,文字通り,プロジェクトの様々な計画を作成するプロセス群です。まず,「スコープ計画」というプロセスで,成果物スコープ(プロジェクトで生み出す成果物)とプロジェクトスコープ(成果物を生み出すための作業)をどのようにマネジメントしていくかを決めます。

 もし,皆さんのプロジェクトが所属している企業や組織に,プロジェクトマネジメントのルールや標準がある場合は,それに従えばOKです。スコープ計画のプロセスは必要ありません。PMBOKは,“見ず知らずの人”が突然プロジェクト・チームに集結することを,暗黙の前提にしています。このため,まずスコープ計画でスコープ(成果物スコープとプロジェクトスコープ)のマネジメント方法を決めることにしているのです。

 次に,「スコープ定義」というプロセスで,「立ち上げプロセス群」で作成した「プロジェクト・スコープ記述書暫定版」を参照しながら,プロジェクト・スコープ記述書の正式版を作成します(プロジェクト・スコープ記述書については前回参照)。

 プロジェクト・スコープ記述書の暫定版は,シニアマネジメント(プロジェクトについての意志決定権を持っている人)の責任で作成しますが,正式版は,プロジェクト・マネジャーの責任で作成します。通常,正式版の第1版ができたところで,その内容について,シニアマネジメントの承認を得ます。シニアマネジメントが,プロジェクトマネジャーが作成した正式版に許可を出すわけです。その後は,スコープ計画のルールに従って,改訂していくことになります。

 プロジェクト・スコープ記述書の正式版ができたら,これを基に,WBS(Work Breakdown Structure,プロジェクトの作業を階層的に分解し詳細化したもの)を作成します。WBSはプロジェクト活動の基礎となる非常に重要なものです。

 その後,作成したWBSをベースに,スケジュール,コスト,資源を見積もり,調達が必要な場合は,調達に関する計画も立案します。このほか,求められる品質の実現方法に関する計画(品質計画)や良好で効率的なステークホルダーとのコミュニケーションを実現するための計画(コミュニケーション計画)も立案します。

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