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VPNソフト「PacketiX VPN」(旧SoftEther)を開発するソフトイーサが,関東限定ながら広域イーサネット・サービス事業に進出した。1Gビット/秒の高速回線を実効速度800Mビット/秒の保証付きで販売する。料金水準は既存サービスの半分以下とし,安価な高速回線サービスを使いたい中小企業などの要求に応える。

 ソフトイーサが提供を始めたサービスの名称は「HardEther」(ハードイーサ,表1)。2008年11月26日に契約の受け付けを開始した。

表1●ハードイーサのサービスタイプ
バリュータイプ,スタンダードタイプ,エンタープライズタイプの3種類を提供。バリュータイプにはアカデミック割引とベンチャ企業向け割引を用意する。
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表1●ハードイーサのサービスタイプ<br>バリュータイプ,スタンダードタイプ,エンタープライズタイプの3種類を提供。バリュータイプにはアカデミック割引とベンチャ企業向け割引を用意する。

 ソフトイーサは,筑波大学の学生だった登大遊氏(現会長 技術開発・通信事業担当)が2004年に設立したベンチャ企業。インターネット経由のLAN間接続を実現するPacketiX VPN は,11月18日時点で2944の企業・官公庁などが利用しており,ライセンス数は3万9623に上る。

 ハードイーサの特徴は1Gビット/秒の高速回線を,既存サービスの最大半額以下の料金で提供する点だ。広域イーサネット=高額というイメージを覆した。これまで1Gビット/秒の広域イーサネットは安くても月額数十万円の料金だった。例えば,NTT東日本の「ビジネスイーサ ワイド」では1Gビット/秒の料金は最安でも月額54万円(税別)。一方,ハードイーサでは月額19万円(税別)といった料金で利用可能である。

 ハードイーサの光ファイバは,他社の回線を借りて提供する。回線提供者はTOKAI以外は非公開だ。また,回線工事や保守のために三栄通信工業や東電通と提携している。

サービス・エリアなど限定で低料金

 想定するユーザーは,高速回線を必要とするが,既存の広域イーサネットでは高額過ぎて手を出せなかった中小企業やSOHO(small office home office)だ。ハードイーサを企画した登会長は「印刷会社やテレビ制作会社などで大容量データを送信したいが,Bフレッツだと一晩かかるとか,DVD-Rに記録して車で持っていった方が速いとか,そういった話を聞いている。そのような企業に向けて提供したい」と説明する。

 ハードイーサでは低料金を実現するために,サービス機能を絞り込んだほか,様々な工夫を施した。

 まず,サービス品目を1Gビット/秒の2拠点間(ポイント・トゥ・ポイント)接続に限定する。3拠点以上をつなぐ場合は1拠点をハブとし,スター型で接続することになる。接続形態を2拠点間に限ることで「中継網を持つ必要がなくなり料金を抑えられる」(登会長)。対象とする中小企業やSOHOであれば2~4拠点の接続で十分であると判断した。

 サービス提供は当面,東京都,千葉県,茨城県,埼玉県,神奈川県のBフレッツが利用できるエリアに限定する。これは故障発生時に機器などの修理のために茨城県つくば市のソフトイーサ社から2~3時間で駆け付けられる範囲に絞ったためだ。今後,パートナ企業が現れれば,サービス地域の拡大も視野に入れる。

 故障対応も原則,平日の日中に限ることでコストを抑える。サポート体制が良くなくても低料金のサービスを使いたいユーザーは多い,との考えからだ。保証の対象外ではあるが,「夜間や休日もできる限り対応したい」(登会長)としている。

 拠点に設置する回線終端装置に安価な製品を利用することでも,コストを削減した(写真1)。大型のラックに,企業向けのサーバー製品(IAサーバー)をはじめ安価な汎用品を収めた構成になっている。一般的なネットワーク装置に比べると大きいが,ビル内に置く装置は多少大きくても運用上は問題ないと判断した。

写真1●ユーザー宅内に設置する回線終端装置
写真1●ユーザー宅内に設置する回線終端装置
写真はスタンダードタイプとエンタープライズタイプで使う機種。サイズは大きいが,安価だという。

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