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Q:地方のSE会社に務めていますが,会社が派遣に特化しているので社員のモチベーションが低下しノウハウもたまりません。会社を変革するにはどうすればいいでしょうか。

 地方のSE会社に勤めています。どの企業も不況のあおりを受けて業績が悪化しており厳しい状況下であり,不況に限らず,地方の会社は,首都圏へ目を向けていく方向性であることも承知しています。

 そんな中,会社としてSE/PGの派遣にのみ特化し,仕事がない者はある意味強制的に出向させるケースが多くなっています。何も仕事がないよりは,安価でも出向させ,何とか売上予算達成をしようとしています。

 私としては,その反面,ある意味チャンスと捉えており,今こそ社内にて次のステップに進む準備期間とも思っていますし,派遣ではなく受託開発を通し,ノウハウ蓄積・新サービスの検討やキャリアステップの醸成に力を傾けることが必要なのではと思っています。

 このような,出向で人はいなくなるが,社内には何の利益ももたらさない,変な循環でここ何年も経過している感があります。会社の売上/利益は最優先と認識していますが,その反面,社員のモチベーション低下,ノウハウなどの財産がたまらない---こういったものを解消できるような仕組み作りにアドバイスいただければと思います。
(プロジェクト・マネジャー/男性・36歳)

A:まず地道な現場改善に取り組み,足場を固めて次のステップに進め。

 典型的な中小IT企業,それも地方企業に多い悩みですね。

 図2は,私がまとめた,それらの企業の内部事情です。多分多くの点で,あなたの会社にも当てはまるでしょう。経営,技術,人材,営業のすべての分野で大きな問題が山積しており,これらを解決するのは至難の業です。

図2●中小IT企業の悩み
図2●中小IT企業の悩み
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 しかし,ダメだダメだと百万遍唱えても何も変わらないわけですから,あなたの言うようにこれをチャンスと捉えて改革を進めるのは,とてもよいことです。

 次の図は,私がこれらの会社をコンサルする際に最初に提示する改革の方向性のフレームです。

図3●改革の方向性のフレーム
図3●改革の方向性のフレーム
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