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 この本の著者は,ソフトウエア・システムにおけるアーキテクトは,「すべてのステークホルダのニーズに合致するシステムの構築を設計および文書化して導くことに責任がある」という。ここを出発点にして,大規模業務システムのアーキテクトとして活動するための基本知識から,面倒な問題の解決法までを論じる。

 大規模業務システムを完成させることの難しさは,ステークホルダ(システムによって影響を受ける人々。ユーザーだけではなく,運用,管理する人々,そのシステムのためにお金を払う人などを含む)の立場と思惑の違いから来ることが少なくない。開発プロジェクトにステークホルダを参加させる方法,参加させるステークホルダの選び方,ステークホルダのニーズをアーキテクチャを反映したアーキテクチャの設計方法,相手の関心事や技術レベルに応じてシステムの姿を説明する方法などが解説されている。

 大規模プロジェクトを管理する立場を目指す人だけでなく,ソフトウエア開発にかかわるすべての人にお薦めしたい。プログラマとして成長するためのヒントも散りばめられている。

システムアーキテクチャ 構築の原理

システムアーキテクチャ構築の原理
Nick Rozanski/Eoin Woods著
牧野 祐子訳
榊原 彰監訳
翔泳社発行
5040円(税込)