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 この記事をどのような端末を使ってご覧になっているだろうか。企業から貸与されたパソコンを使っている方が多いかもしれない。今や情報収集も文書作成も、それ以外の業務についても、パソコンを使うことが前提となっている。クライアントサーバー型システムも、Webアプリケーションも、クライアントパソコンなしには機能できない。

 かく言う筆者も、今この原稿を会社のパソコンを使って書いている。もしこのパソコンが故障などで使えなくなってしまうと、非常に困る。ハードディスクに保存したデータが失われる上に、ほかのパソコンを同じ使い勝手に設定し直すにも時間がかかるからだ。

 企業のパソコンは、業務の最前線でユーザーを支援する重要な存在であるにもかかわらず、サーバーやストレージ、ネットワーク機器などと比較するとそれほど重視されていない。サーバーの運用には神経をとがらせても、パソコンについては現場のユーザー任せ、というIT部門は少なくない。

 動かなくなって困るのは何もサーバーだけではない。もちろんサーバー並みというわけにはいかないだろうが、IT部門はもう少しパソコンの不具合や障害への対策を手厚くするべきではないか。IT部門の運用管理が徹底されていないことのツケが、現場に回っていないだろうか。

奮闘する現場担当者

 そう感じたのは、ある中堅企業のパソコン管理の実態を知る機会を得た時のことだ。その企業のIT部門は社内のパソコンに、ウイルス対策ソフトや資産管理ソフトのインストールを義務付けている。あらかじめ申請したパソコンしかLANに接続できないような仕組みも構築済みだ。セキュリティ対策はある程度実施しているわけだ。

 しかしIT部門による「パソコン運用管理」はここまで。それ以外のパソコン管理に関する業務は、各部署ごとに任命したOA担当者に任せている。パソコンの新規導入時は、機種選定から初期設定、アプリケーションのインストールまで、そのパソコンを使う社員とOA担当者が作業する必要がある。

 ある部署では外出先での作業用にモバイルパソコンを10数台購入した。その際は、休日出勤をしたOA担当者がOSをセットアップし、通信カードの動作確認までした。それを使う社員はITリテラシが高くないため、OA担当者が作業するほうが効率がよかった。それでも数日を要する作業だったという。

 セキュリティや社内システムに関連することであればIT部門に頼ることもできるが、パソコンは各部門で購入しているため、ハードウエアの不具合はOA担当者が解決しなくてはならない。ベンダーに修理を依頼したり、場合によっては新しいパソコンに入れ替えたりといった業務が発生する。その都度、保証書を探し出し、コールセンターに電話をかけるのだという。

 OA担当者はもちろん専任ではなく、本業務は別にある。パソコン導入や不具合対応作業の品質や作業量には限界がある。実際OA担当者が多忙で、ある社員のために購入した新しいパソコンに、古いデータからの移行ができないまま半年以上放置されているケースもあった。

パソコンは企業情報システムの一部

 もちろんこのような実態の企業ばかりではない。もっと高いレベルでパソコンを運用管理している企業もある。ただ企業規模が小さくなるほど、IT部門によるパソコン運用管理は行き届いていないと感じる。

 IT部門にパソコンの運用管理に割けるリソースがふんだんにあるわけではないだろう。しかしパソコンは企業情報システムのフロントエンド。その運用管理をおろそかにしては、企業内IT活用はおぼつかない。管理が一定レベルになければ、セキュリティ面での不安も増す。

 パソコンを快適に使用できるようにすることも、IT部門の重要なミッションであるはずだ。まず自社のパソコン利用状況がどのような実態になっているかを洗い出せば、改善ポイントは見えてくるはず。運用管理ツールなどをうまく使えば、IT部門の負担をあまり大きくせずに、現場の負担を軽減することは可能だ。

 この中堅企業のように、パソコンの運用管理で発生するトラブルは少なくないのではないだろうか。日経コンピュータとITproは、企業パソコンのトラブルに関するアンケートを実施している。誌面の参考にさせていただきたいと考えている。

 ぜひご協力いただきたい。