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 システムの賞味期限を見極める手法は、保守案件の優先順位を決めるのにも役立つ。重要な案件に絞ってシステムの機能を追加・変更すればシステムの維持費用を削減できる。

 北海道ガスでは利用部門から上がってくるシステム保守案件の価値や工数を定量的に分析し無駄な保守を減らしている(写真A)。

写真A●北海道ガスの調査票
写真A●北海道ガスの調査票
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 同社のシステム部門にはシステムの保守・改修依頼が年150件ほど利用部門から寄せられる。だが、予算の制約もあるのでシステム部門は1割ほどしか対応しない。富士通の分析サービスを使い「ビジネス」と「技術」の二つの軸で優先度を客観的に判断。上位の案件だけを実施する。

 ビジネス軸は「システムの利用頻度」「緊急性」などを評価する。例えば利用頻度が「ほぼ毎日」は5点、「月に1回程度」は4点をつける。緊急性は「代替手段がない」場合は4点、「代替手段がある」と3点にする。

 技術軸は保守工数やコストなどの項目ごとに点数を付ける。保守工数やコストが少なければ5点、多ければ1点とする。仕様や保守コストがあいまいな場合は、総合点数が低くなる集計方法をとっている。

 採点結果だけで優先順位を決めるのには抵抗もあった。だが、「実際に採点してみると、誰もが優先順位が高いと思う案件は自ずと高得点になる」と倉品部長は説明する。「不採用の理由をきちんと提示できるため、利用部門も納得してくれる」と続ける。

 東亜建設工業も保守案件を絞り込むために、システムの余命や価値を見極めている。年間総工数の上限を定めて、その範囲内でシステムを延命する。

 年間計画を立てる段階で優先順位の高い保守案件から工数を積み上げ、総工数が700人時を超えたところを実施するどうかのボーダーラインとする。「IT予算が無尽蔵にあるわけではない。上限規定を設ければ、利用部門にも節約精神が生まれる」と平原昇情報システム部長は説明する。