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 これからの企業経営を考えるうえで、“グローバリゼーション”は避けて通れない課題です。この点は、IT基盤やIT部門のあり方を考えるうえでも変わりません。本研究所では、グローバリゼーションをキーワードに、「環境・人」「テクノロジ」「プロセス」の各側面から、いくつかの提案を試み、みなさんと一緒に議論していきたいと考えています。

 みなさん明けましておめでとうございます。2009年1月から開設となった「矢坂・基盤デザイン研究所」所長の矢坂 徹です。今後、この研究所が提案するテーマから活発な議論が生れ、ひいてはこれからのIT基盤の構築・展開を担う、日本のITリーダーの方々の一助になればと切に願っています。どうか、よろしくお願いいたします。

 第一回目の今回は、この「矢坂・基盤デザイン研究所」では、どういったテーマで研究を進めていくのかについて、その背景とともにお話します。

グローバリゼーションとは矛盾との戦いである

 私は2008年にコンサルタントとして独立するまで、いくつものグローバル企業のIT部門に籍を置き、数々のアプリケーション開発や基盤構築の陣頭指揮を執ってきました。ですから、昨今のキーワードである、「国際的な競争力強化に貢献できる“企業内グローバリゼーション”の推進」と言う言葉が生まれる20年近く前から、グローバリゼーションに頭を悩ませ、その解決に向けて色々な工夫や努力をしてきました。

 企業内グローバリゼーションおける最大の課題は、「全体最適と個別最適のバランスをどう取るか」という点に集約されます。企業における「全体最適」とは、「企業が持つ全世界の関連拠点で、一様に何を共通化できるか?」ということです。

 一方、「個別最適」とは、それぞれの拠点の中で、「何が他の拠点と違い、どこがユニークであるのか?」という質問に答えることです。ですから、「全体最適と個別最適のバランス」とは、「何を全拠点で共通・標準化し、何を各拠点に固有の仕組みとして残すか?」という質問の答えを導くことになります。

 ただ、自らの反省を込めて顧みれば、IT部門に属した途端に、残念ながらテクノロジのみを持って、「全体最適と個別最適のバランス」を解決しようとし過ぎる傾向があることは否めません。つまり、アプリケーションとITインフラストラクチャだけでは、「国際競争力を強化するためのグローバリゼーションを推進する」という経営課題は解決できないのです。