PR

Gartner,Inc.
ピーター・ソンダーガード シニアVP リサーチ部門最高責任者
山野井 聡 グループVP

 IT予算は景気の影響を半年ほど遅れて受ける傾向がある。今進行中のプロジェクトを急にストップはできないからだ。それが経営強化のために複数年かけて進めてきた情報化プロジェクトであればなおさらだ。

 それでも今日の急激な景気後退を受けて2009年は、世界中の企業がIT予算の削減に乗り出すことは間違いない。日本も例外ではない。

 苦境のときほどCEOは経営幹部に新たな提案や助言が求める。この難局を乗り切るためにCEOが必要としているのは、先見性と行動力を伴ったCIOのリーダーシップだ。ITを駆使した戦略の実行こそが急速な環境変化に対応し、コスト削減とビジネスの成長を同時に成し遂げることを可能にするのである。

 2009年度のIT予算計画において企業のITリーダーは次の3点に留意すべきと、ガートナーでは考えている。

(1)ガートナーの予測では、IT予算の伸び率は0%から2.3%の間にとどまる。まずはこの枠をベンチマークにして、IT予算を見直すことを推奨する。

(2)このような時期だからこそIT部門のスタッフ全員が、自律的にITコストの最適化に取り組む姿勢を見せてほしい。日本企業なら現場に根ざした継続的な改善努力が得意なはずだ。

(3)CIOはCFOのように考え行動しなければならない。2009年のIT予算を細部にわたり再点検することが肝要である。

 2009年はITコストのムダ取りに注力することは避けられない。参考までにITコストを最適化するための提案を10項目に整理してに示した。

図●コスト最適化のための10大提案
図●コスト最適化のための10大提案

 これらの項目は特に目新しいものではない。過去にもIT部門は同じような努力を必要に応じて繰り返してきた。今回もそれを実行するだけだ。

 IT投資は透明性が低く「無駄遣い」と経営層に邪推された時期も確かにあった。しかし今そんなことを口にする経営者は石器時代の遺物だ。ITは業務改革の最高の手段である。

 企業のITリーダーは逆境期をむしろチャンスと考えるべきだ。過去を振り返ってみても、経済低迷期に新たな(かつ偉大な)リーダーが生まれ、技術革新は加速している。そして明日のビジネス成長の種がまかれている。

 IT業界では、大きな投資のサイクルが10年ごとにやってくる。2001年の景気後退期もいくつかの新技術が台頭した。同じことが2009年にも起こるだろう。

 2009年はコスト最適化以外にも仮想化、ITの近代化、グリーンITといったトレンドをITリーダーは押さえておくべきだろう。ITを駆使して高いリスクに立ち向かう準備を今すぐ始めよう。

 忘れてはならないのは、ムダを省いてセーブした予算は、ビジネス成長が期待できる領域に再投資する原資とすべきという点である。削減すべきところは削減し投資すべきところに集中する。この当たり前のことを断行できるITリーダーが2009年は脚光を浴びる。