PR
 新会社を創っていく時、創業者は何を考え、どう行動するのだろうか。会社のビジョンや社名の決定、資本金の準備、社員採用、ビジネスモデルや管理体制の確立、オフィスと情報システムの整備など、やるべきことはたくさんある。「ビジネスとテクノロジーのアグリゲーター」という新コンセプトの企業、シグマクシスを2008年5月に設立した倉重英樹が、10月からの本格始業に向けて日々思うことや活動の様子を、写真とともに綴っていく。

 ある日、打ち合わせを終え、ミーティングルームから役員エリアに戻ると、私のデスクで若手のコンサルタントが私のノートパソコンをいじっていた。彼は社内の情報システムを構築・運用するプロジェクトに所属している。私のパソコンが何かトラブルでも起こしたのかと思い、「どうかしたか」と声をかけて近寄ってみると、彼は「お帰りなさい」と何やらうれしそうな顔をして振り返った。そして、ヘッドフォンとマイクが一体になったヘッドセットを私に手渡し、こう言った。「ウェブカンファレンスシステム、倉重さんも使ってみましょう」。

 前回説明したように、シグマクシスは「コラボレーション」をすべての中心に据えている。当然、オフィスも情報システムも、コラボレーションを支える環境として整えている。中でも新しい試みと言えるのが、社員全員にウェブカンファレンスシステムを利用する権利を与え、場所と相手を選ばず、社内外の人とネットワーク上で協働できる取り組みを推進していることだ。

 ウェブカンファレンスは、電話会議ともTV会議とも違う。複数の場所にいる複数人が音声と動画を通じて相手の顔を見ながら打ち合わせをするところまでは従来の仕組みと同じだが、これに加えて、1つのデジタル資料(プレゼンテーション資料や文書など)を全員が共有し、お互いがリアルタイムに資料を更新していくことができる。

 つまり、資料を共同作成するツールでもある。全員が同じ会議室に集まって、プロジェクターからスクリーンに投影された資料を見ながら、その場で更新していくコラボレーションの作業をネット上で実現するわけだ。こうしたテクノロジーを使いこなして、新しい価値創造の形に挑戦してみようと、シグマクシスのワークスタイルを「オンネットコラボレーション」と呼ぶことにした。

 社員に対しては、ウェブカンファレンスシステムのトレーニングが定期的に実施されており、社内のあちこちでヘッドセットをつけた社員がトレーニングに参加している姿はすでに目にしていた。社員だけではなく、経営幹部も使い始めている。

 先だって開催した全社員集会Sharing Dayで垣原弘道COO(最高執行責任者)が使ったプレゼンテーション資料は、ボストンに出張していた垣原がホテルの部屋から東京虎ノ門オフィスにいるスタッフとウェブカンファレンスをして、作成したものだ。時差はあるので、垣原あるいはスタッフが交互に早起きや夜更かしをしてウェブカンファレンスをしたそうだ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

日経クロステック登録会員になると…

新着が分かるメールマガジンが届く
キーワード登録、連載フォローが便利

さらに、有料会員に申し込むとすべての記事が読み放題に!
日経電子版セット今なら2カ月無料