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 2011年7月以降のBSデジタル放送(次期BSデジタル放送)で使う第21・第23チャンネルの電波干渉問題の検討を進める「一部の形態のBS放送受信システムの電波干渉問題に関する連絡会」は先ごろ,「BS放送受信システムから携帯電話への干渉を防止するために」と題したBS放送受信システムの設置工事を手がける施工業者向けの周知事項を公表した。今回の周知事項には,(1)システム設置の際の注意事項,(2)製品選択時の注意事項,(3)施工先の家庭に知らせてほしいこと──の3項目が盛り込んだ。

 この問題は,屋外設置型の増幅器を使用している一部のBS放送受信システムで第21・第23チャンネルの電波を受信すると,中間周波数の電波が漏れて,1.5GHz帯の携帯電話(現行はPDC方式に利用)の基地局に電波干渉を引き起こすというものだ。電波干渉問題を解決しない限り,第21・第23チャンネルの電波を次期BSデジタル放送のために利用できない。

 周知事項のうち(1)と(2)は,携帯電話への電波干渉の発生源となるBS放送受信システムをこれ以上増やさないための対策である。ブースターの利得を必要以上に上げないようにしたり,ケーブルを接続する際にコネクターを使って正規の方法で接続したりすることを施工業者に要請した。さらに屋外に設置するBS放送受信システムにはF型コネクタータイプのものを,同軸ケーブルにはシールド効果に優れた衛星放送対応のものをそれぞれ推奨した。連絡会の関係者は,「(電波干渉の発生源が)これ以上増えないようにまずは蓋(ふた)をすることにした」と説明する。

 一方,(3)は設置済みのBS放送受信システムの電波干渉を解消するための対策である。総務省は携帯電話システムなどへの干渉が発生した場合に,障害の原因を調査したり特定したりしたうえで,状況に応じてBS放送受信システムの保有世帯に「ブースターやケーブルなどの交換や改修をお願いする」という方針を打ち出した。施工業者を通じて,将来的に調査員が訪問する可能性があることや,BS放送受信システムの保有者には調査費用が一切かからないことなどを伝えることを求める。

 ただし,電波干渉の発生源になっているBS放送受信システムの調査や改修をどのようにして進めるかは決まっていない。調査や改修などに必要な費用をどのようにして賄うかも未定である。これらの問題は連絡会で検討中という。連絡会の関係者は,「電波干渉問題の解決に向けた検討は今後も続ける」と意欲をみせている。一方で次期BSデジタル放送の委託放送業務に関する認定申請の受け付け開始が2009年3月に迫っており,可能ならばこの段階で解決のメドを付けたいところである。2009年3月を期限とするのであれば残された時間は少ないが,問題の解決にはもうしばらく時間がかかりそうだ。