PR

ビジネス関連の雑誌や書籍をいつも読んでいる。A4サイズの紙をメモ代わりに使うこともある
 元ラガーマンにふさわしいがっちりとした体格と人なつこい笑顔、そして豪放磊落とした人柄。沢田の第一印象は、いかにもトップ営業といった雰囲気だ。ところが沢田は営業だけでなくシステム開発の経験も持ち、「元々は人見知りの性格だった」と打ち明ける。

 民営化後のNTTに入社した沢田は、最初は金沢支店での窓口業務などに従事していたが、その後、北陸支社の情報システム開発センターに異動。NTT社内のシステム開発を手掛けた。「内向的な自分に合っている」と感じ、黙々と仕事をこなす日々だったという。

 転機が訪れたのは、入社8年目の1996年のこと。NTTの再編によって、沢田が所属していた情報システム本部が新会社として分離独立することが決まる。ここで沢田は、営業を担当するよう命じられた。「もう人見知りなどとは言っていられない」と、沢田は内向的な自分を追い込むかのように、営業の仕事に没頭した。

 沢田には今でも忘れられない経験がある。99年に官公庁の営業担当になったとき、この分野に何のつながりもなかった沢田は、友人や知人、取引先など多くの人に頼み込み、知っている省庁の関係者を次々に紹介してもらった。

 そのうちに沢田は、ある省庁が文書の電子化システムの入札を実施するとの情報を得る。いち早く情報をつかんで入念に下調べしたことが奏功し、独立後の新会社として公共分野の契約を初めて獲得できた。

 この経験で、沢田は「SIとは人と人のつながりが重要になる」ことを痛感した。個人の能力がどれだけ高くても、いくら一人で頑張ったとしても、誰かの協力や助けがなければ仕事を成し遂げることはできない。「ましてや顧客と営業、SEとの意思疎通が不十分では、プロジェクトは失敗して当然だ」。

 営業として十分な経験を積んだ今でも、沢田は初心を忘れない。新しい顧客と出会うたび、受注獲得に懸命に取り組んだ当時のひたむきさを思い出し、気を引き締める。

=文中敬称略

沢田 和則(さわだ かずのり)
NTTコムウェア
CRM&ビリング・ソリューション事業本部
営業企画部
1965年5月生まれ、富山県出身。大学卒業後、88年にNTTに入社。北陸社内情報システム開発センタでシステム開発を担当。99年にNTTコミュニケーションウェア(現在のNTTコムウェア)の公共システム営業部に配属され、官公庁や地方自治体などを担当している。大学時代はラグビー部に所属していたので、体力には自信があるという。