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写真●川崎 透氏 大崎電気工業 情報システムセンター長
写真●川崎 透氏 大崎電気工業 情報システムセンター長
(写真:皆木 優子)

 我々がこれから取り組まなければならないテーマは、いくつもある。内部統制の整備がひと段落したこともあり、今はパソコンやサーバー、入退室管理システムから収集したログを分析するツールを導入しようと考えている。

 セキュリティを強化したいので、シンクライアントにも関心がある。既に全社でBCP(事業継続計画)を策定する活動が始まっており、データセンターの活用を検討中だ。

 いずれにせよ、2009年はシステム部門にとって多くのプロジェクトを抱えることになりそうだ。2009年度のIT投資は今年度よりも若干増やす計画である。

 多くのユーザー企業がIT支出を絞るといわれているが、すべてがそうではないだろう。ITベンダーには、不景気だからと下を向くのではなく、優れたソリューションをどしどし提案してもらいたい。

 IT投資を増やす減らすに関係なく、ITベンダーの協力なしにシステム化を進めることはできない。システム運用業務だけでも手一杯で、システム化の企画業務にまでなかなか手が回らないことも多い。

 当社と似たユーザー企業は多いはずで、不況とはいえ、ソリューションプロバイダの仕事が激減することはないはずだ。少なくとも当社には、ITベンダーにとっての商機が山ほどある。当社が関心のある分野について話してくれるなら、飛び込みに近いITベンダーの営業担当者であっても、歓迎する。

 ただし、製品説明だけで終わるのは勘弁してもらいたい。ソリューションの投資対効果を明確にする。このことをソリューションプロバイダの営業担当者に注文したい。

 優れたソリューションであっても、導入効果が明確でないものは、社内で通りにくい。特に金額の大きいソリューションで効果が分かりにくいと、経営陣に却下されやすい。

 製品の機能やサービスの内容に関する細かな説明よりも、導入効果が分かりやすいものであれば、より深く知りたいと興味がわく。

 もっとも、当社の身の丈に合った効果を説明してもらえなければ、魅力を感じない。カタログに書いてあるような紋切り型の効果をアピールされても困ってしまう。

 最近ではこんなことがあった。外資系の大手ERP(統合基幹業務システム)パッケージベンダーの営業担当者の提案を受けたときの話だ。「当社はERPパッケージだけでなく、ユーザーIDの統合管理やIT資産管理向けのソリューションも用意しています」と言ってきた。製品の機能説明も分かりやすく、この営業担当者に好感を持った。

 ところが、見積金額が数千万円と聞いて驚いた。売上高190億円の当社からみれば、大きい数字である。

 「それだけの投資対効果はあるのか」と聞くと、「システムのユーザーIDの登録や変更の作業負担を大幅に減らせます」と答えた。1万人規模の大手ユーザー企業に提案しているのなら、これで通用するのかもしれない。

 だが当社の従業員数は500人だ。人事異動があるとはいえ、さほどユーザーIDの管理作業は負担にはなっていない。

 製品説明を聞いている段階では、優秀だと感じた。だが、この営業担当者は、当社についての下調べを怠っていたのだろう。

 どのような提案をする場合でも、ユーザー企業の売り上げや従業員数ぐらいは頭に叩き込んで、これに見合った効果を提示するようにしてもらいたい。(談)