一見,何についての本なのか分かりにくい書名だが,企業広報の入門書である。不祥事に際した対応からIR(投資家向け広報),社内報まで様々な業務を解説している。
といっても広報担当者だけにお勧めするのはもったいない。7つの章の冒頭には架空の企業,甘口製菓の角糖広報部長の物語が挿入されているのだが,謝罪の記者会見に始まり,新社長を中心としたイメージ回復,社内報での組織活性化までが生き生きと描かれており,ついつい引き込まれる。
実に多くの企業の不祥事を紹介しつつ,企業広報の歴史までひも解いてくれる。最近,広報職が若手社員に人気らしい。なるほど,大変だがやりがいはあるだろう。
信頼できる会社,信頼できない会社
駒橋 恵子/関沢 英彦著
NTT出版発行
1890円(税込)